何にでも使える優秀なハッチバック 10選 スタイリッシュで充実装備の欧州コンパクトクラス

公開 : 2023.05.09 06:05

2. フォード・フォーカス

フォードは来年、フォーカスの生産を終了し、直接の後継車も計画していない。運命が明らかになったとはいえ、走りを楽しみたいドライバーにとって明確な選択肢であることに変わりはない。卓越したハンドリングとしなやかな乗り心地は、ハッチバックの中でも最高峰である。現行型は1998年にクラスの常識を覆した初代モデル以来、そのエンゲージメントと俊敏性において、間違いなく過去最高と言える。

新しいプラットフォームとエクステリアが新たな息吹を与え、室内には十分なスペースがある。しかし、インテリアの仕上がりや質感、高級感においてはライバルに劣る。

2. フォード・フォーカス
2. フォード・フォーカス

4代目となる現行型には、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが用意され、最新の「エコブースト」ガソリンエンジンはハイブリッド化されている。ベースモデルのリアサスペンションはトーションビーム式で、パッシブダンパーが採用されている(オプションでアダプティブダンパーも選択可能)。しかし、ハンドリングのダイナミズムでは、ローエンドのスポーティでない仕様でもライバルに差をつけることができる。

2.3LのフォーカスSTは、ラインナップの中で最もスポーティなモデルである。高性能のRSが設定されていないのは残念だが、オプションのトラック・パック(KW製コイルオーバー・サスペンション、ピレリ製タイヤ、リミテッド・スリップ・フロント・デフ)を装着すれば、多くの人にとって、十分すぎるほど楽しいクルマになるはずだ。

3. スコダ・オクタヴィア

チェコのスコダの主力モデルである最新世代のオクタヴィアは、実用性の高さと手頃な価格という伝統的な要素を忠実に守っている。もちろん、スタイリッシュでダイナミックなモデルというわけではないが、ファミリーカーとして使用する場合には、広いスペースと使い勝手の良さで、ほとんどの場合、気にすることはないだろう。

ステーションワゴン仕様のオクタヴィア・エステートは、トランクルームの広さではライバルを圧倒しているし、ハッチバック仕様のオクタヴィアもスペースに不自由することはない。走りの面では、クプラレオンのようなエンゲージメントやフォルクスワーゲン・ゴルフのような洗練された乗り心地は得られないかもしれないが、決して遠くないことも確かだ。さらに、インテリアの質感や高級感という点では、アウディに近いものがある。

3. スコダ・オクタヴィア
3. スコダ・オクタヴィア

これまで通り、フォルクスワーゲン・グループの兄弟車の中で最も現実的な選択肢だ。広い乗員スペースと収納スペースを備えた手頃な価格のファミリーカーをお探しであれば、このクルマに大きな感銘を受けることだろう。一方で、フォード・フォーカスから乗り換えると、落ち着いた性格に少し抵抗を感じるかもしれない。その場合、スポーティなオクタヴィアvRSがガソリンとディーゼル、前輪駆動と四輪駆動を揃えており、そうした不満を解消してくれるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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