何にでも使える優秀なハッチバック 10選 スタイリッシュで充実装備の欧州コンパクトクラス

公開 : 2023.05.09 06:05

4. プジョー308

最新のプジョー308は、革命ではなく進化を遂げている。「オールニュー」と謳いながら、実際には先代からのキャリーオーバーも多い。とはいえ、以前より少し長く、広くなり、エクステリアはハンサムで均整がとれており、特徴的なデイタイムランニングライトを装備している。

室内はややゆとりに欠け、後席の足元やヘッドルームはフォルクスワーゲン・ゴルフよりも少し狭くなっている。しかし、洗練されたインテリアデザインと、今や高級車となりつつあるプジョーにふさわしい質感の高さを誇る。ただ、これまで同様、iコックピットの小径ステアリングホイールとハイセットのインストゥルメント・クラスターは、多くの人を喜ばせるとともに、不満を抱かせることだろう。

4. プジョー308
4. プジョー308

パワートレインには、ターボチャージャー付きガソリンエンジンとディーゼルエンジン、そしてPHEVが用意されている。後者は約64kmのEV走行が可能だ。パワートレインにかかわらず、308はかつてのフランス車の特徴であった軽快さと気楽な乗り心地、適度な洗練性を、流動性をもってこなしている。特にエントリーモデルの1.2Lターボは、「引き算の美学」的なキャラクターで、308のイチオシとなっている。

5. ホンダシビック

1972年のデビュー以来、11代目となるホンダ・シビックは、フォルクスワーゲン・ゴルフよりもさらに長い歴史を持っている。ただ、ゴルフが常にファミリーハッチバック・クラスに属していたのに対し、初代シビックは一回り小さいスーパーミニサイズから始まり、20年ほど前にようやく次のクラスに移行した。いずれにせよ、現行型が最高傑作であることは間違いない。

優れたホンダ車の多くがそうであるように、シビックの魅力の中心には巧みなエンジニアリングがある。ガソリンと電気のハイブリッドであることは当然だが、他車とは異なり、4気筒エンジンをほとんどの時間発電機として使用し、電気モーターが駆動力を提供する、事実上レンジエクステンダー型である。その効果は絶大で、スムーズでレスポンスがよく、経済的な走行が可能だ。

5. ホンダ・シビック
5. ホンダ・シビック

さらに良いのは、正確なステアリングとしなやかなハンドリングによって、走り好きのドライバーを満足させるに十分なダイナミズムを提供し、しかも快適で静かな乗り心地も実現しているシャシーである。また、広くて堅牢で、操作しやすいインテリアが、その快適性を高めている。トランクも十分な大きさがあり、収納式のトノカバーは天才的な発明だ。

究極のスリルを求める人には、既存のメカニズム(最高出力310psの2.0L 4気筒)を新しいボディに効果的にパッケージしたフラッグシップモデル、タイプRがある。運転するのが楽しく、ニュルブルクリンクの前輪駆動車のラップレコードを取り戻したばかりだが、販売数は限られており、価格は4万7000ポンド(約800万円)に跳ね上がっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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