シトロエンe−C4X 詳細データテスト 

公開 : 2023.05.13 20:25  更新 : 2023.06.09 15:57

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

e−C4Xの価格は3万1995ポンド(約544万円)から。この価格帯のEVは、わずかな例外を除けばBセグメント級で、前後席とも大人が満足に座れるものは1〜2車種くらいしかない。

フォルクスワーゲンが、ID.3の廉価グレードの英国導入を見送ったことからもわかるように、3万5000ポンド(約595万円)以下のEVで納得できる利益を確保するのは難しい。生産の方法や工場のロケーションを、かなり入念に考える必要がある。

EVの残価予想は、数年前とは状況が変わってきているが、少なくともe−C4Xはライバルに太刀打ちできるレベルにある。
EVの残価予想は、数年前とは状況が変わってきているが、少なくともe−C4Xはライバルに太刀打ちできるレベルにある。

となれば、ポールスター2くらいのサイズで、航続距離も大目に見て対抗馬になりうる程度で、価格はまるまる3割安いとなれば、かなりの注目を集めることができるはずだ。テストした中間グレードのe-C4Xは、3万5000ポンドを切るが、装備は充実。コストパフォーマンスは高いと思える。

リアルな航続距離は公称値に比べてやや物足りないが、ひどく見劣りするほどではない。残り距離の表示は過大評価気味だが、フル充電で320km以上は確実。ただし、それを達成するには市街地での運転か、カントリーロードでの80km/h走行に徹することが求められる。英国の典型的な高速道路巡航では、240km程度に落ち込む。

これは日産リーフの下位機種をはじめとするライバルを凌ぐが、まだまだ安心感タップリとはいかない。とくに、主なライバルよりスローな直流急速充電性能を考えると、ますますそう感じる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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