アウディA4、名称変更へ 次期型「A5」に統合か 2.9L V6ハイブリッドのRS5も登場

公開 : 2023.05.09 18:05

アウディはラインナップの見直しにより、A4の次期型を「A5」と改名する方針です。EVは偶数番号のA4、エンジン車は奇数のA5とされる見込み。今回、次期型A5のプロトタイプがニュルブルクリンクで目撃されました。

エンジン車は奇数番号に

アウディは、A4の次期型に「A5」という名称を与える方針だ。電動化に伴ってラインナップを見直し、EVを偶数番号、内燃エンジン搭載車を奇数番号で示す。

つまり、従来のA4という名称はEVに受け継がれ、同クラスのエンジン車はA5と名付けられる見込みである。今回、次期型A5のプロトタイプがニュルブルクリンクで目撃された。

ニュルブルクリンクで目撃された次期型「A5」のプロトタイプ
ニュルブルクリンクで目撃された次期型「A5」のプロトタイプ    AUTOCAR

スタイリングとしては、角ばったヘッドライトや大型フロントグリルなど、現行型を進化させたデザインとなっている。リアのテールライトは、Q8 eトロンにも見られるフルワイドのLEDであることが確認できる。

スポーティなS5では、フロントバンパーがややアグレッシブなデザインになり、追加のエアダクトが設けられ、4本のエグゾーストパイプが装備される見込みだ。

アウディの関係者によると、最上位モデルとしてハイブリッドのRS5が設定されるという。次期型RS5は、現行の2.9L V6ツインターボ(最高出力450ps、最大トルク61kg-m)を維持しつつ、電動化によってパワーアップを果たすと予想されている。従来のV8に代わってPHEVパワートレインを採用したメルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンスと対峙することになりそうだ。

一方、標準のA5では、ガソリンおよびディーゼルエンジンのマイルドハイブリッド、またはPHEVとなり、四輪駆動を採用する見込みだ。

ボディスタイルはセダンとステーションワゴンが用意され、いずれも現行A4と比較してサイズが極端に大きくなることはないだろう。

新世代のデジタル機能も充実

次期型A5は、フォルクスワーゲン・グループのMLBプラットフォームを引き続き使用する予定だが、14.4kWh(実質容量)のリチウムイオンバッテリーを搭載するためにリア構造が変更される。

MLBプラットフォームはまた、48Vの新しい電気アーキテクチャに対応する。これにより、A6、A7、A8、Q7、Q8で採用されているダイナミック・オールホイール・ステアリング・システムや、アウディのCar.Software部門が現在開発中のレベル2の運転支援機能などを導入することができる。

ニュルブルクリンクで目撃された次期型「A5」のプロトタイプ
ニュルブルクリンクで目撃された次期型「A5」のプロトタイプ    AUTOCAR

新しいデジタル機能やコネクティビティ機能の実装も期待される。その1つが、アウディとファーウェイが開発中の近距離無線通信だ。給油や充電、有料道路、駐車場、ドライブスルーでの食事といったサービスの支払いを、専用アプリを介して決済できるようになる機能である。

足回りとしては、現行型のアルミニウムを多用したマルチリンク式フロント/リアサスペンションのアップデート版が採用され、一部のモデルにはアダプティブダンピングが搭載されると予想される。EVとなる次期型A4では、リアにエアサスペンションが採用される可能性もある。

ガソリンエンジンは、2.0L 4気筒ターボチャージャー付きユニット「EA888」の第5世代となるだろう。2008年に導入されたEA888シリーズの最新版で、ユーロ7の厳しい排ガス規制に対応するために再設計され、新開発の燃料噴射装置やパティキュレートフィルターシステムなど、多くのテクノロジーが盛り込まれている。

トランスミッションには7速DCTまたは8速トルコン式ATを採用し、燃費の向上と排出ガスの低減を目指す。また、部品の複雑さを軽減するため、6速MTは廃止される見込みである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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