トヨタと日産で、ベスト10を独占 部品確保で波に乗れるか 4月の登録車・新車販売を分析

公開 : 2023.05.10 12:20  更新 : 2023.11.08 01:10

4月の新車販売レポートです。登録車は、トップ10をトヨタ・日産が独占。生産調整への取り組みに差が出てきました。

ヤリス/カローラ/シエンタがトップ3

2023年4月の新車販売の車名別ランキングが発表された(自販連/全軽自協調べ)。

登録車の4月のランキングは、前年同月比40.8%増(1万4143台)を記録したトヨタヤリスが4か月連続での首位を獲得する。

トヨタ・シエンタZ(ダークグレー×グレイッシュブルー/ガソリン仕様)
トヨタ・シエンタZ(ダークグレー×グレイッシュブルー/ガソリン仕様)    池之平昌信

続く第2位には、同7.6%増の1万662台を売り上げたトヨタ・カローラが前月と同順位で位置。

第3位には同120.8%増(9195台)を達成して1ランクアップしたトヨタ・シエンタが、第4位には1月にシリーズパラレルハイブリッド車、3月にPHEV車の販売を開始して同137.2%増(7838台)を成し遂げて7ランクアップを果たしたトヨタ・プリウスが入った。

以降はトヨタ・ルーミー、日産ノート、トヨタ・ノア、トヨタ・ハリアーと続き、第9位には4月20日よりe-POWER車の発売をスタートした日産セレナが同112.9%増の6507台を記録してランクインした。

結果的にトップ10のうちの8台がトヨタ車、日産車が2台で、ホンダ車はランク外に終わる。

部品の供給状況を精査しながら関係仕入れ先と連携し、生産調整の期間を短くして“受注残の解消”を進めたトヨタの戦略が奏功する形となった。

トップ10の一覧 圏外の注目車は?

1位 トヨタ・ヤリス:1万4143台
2位 トヨタ・カローラ:1万662台
3位 トヨタ・シエンタ:9195台
4位 トヨタ・プリウス:7838台
5位 トヨタ・ルーミー:7811台
6位 日産ノート:7224台
7位 トヨタ・ノア:7020台
8位 トヨタ・ハリアー:7004台
9位 日産セレナ:6507台
10位 トヨタ・ヴォクシー:6495台

注目車の成績に触れていこう。

写真は新型の日産セレナ。4月にはe-POWER車が登場し、ミニバン対決の主導権を握れるか注目が集まる。
写真は新型の日産セレナ。4月にはe-POWER車が登場し、ミニバン対決の主導権を握れるか注目が集まる。    日産

トップ10以降は前月と同様、SUVおよびクロスオーバーモデルの好セールスが際立つ。

300系の受注は停止しているものの、プラドの販売が好調なランドクルーザー・ワゴンが同83.9%増(4543台)を達成して第14位に。クロスオーバーを設定したトヨタ・クラウンが、同101.6%増の3119台を販売して第18位に。

昨年11月に一部改良を実施したCX-5が同75.7%増の2746台を登録して第20位に。生産調整の改善を図ったレクサスNX350hが同708.1%増の2699台を記録して第21位に。

昨年9月に発売したマツダCX-60が2101台を売り上げて第26位に。昨年7月に全面改良した日産エクストレイルが同169.4%増の1697台を販売して第31位に入った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。

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