新型ポルシェ718スパイダーRS 全国で受注開始 最高出力500psの「最後の内燃718」
公開 : 2023.05.10 18:25 更新 : 2023.05.10 18:25
ポルシェは718スパイダーの最上級モデル「718スパイダーRS」を発表しました。価格は2024万円(税込み)から。718としては最後の内燃エンジン搭載バージョンとなる予定で、GT3のフラット6で締めくくります。
ミドシップ最強のロードスター、RS誕生
ポルシェは、ミドシップ・スポーツカーの718スパイダーに、新たな高性能モデル「RS」を追加した。
718スパイダーRSは、911 GT3と同じ自然吸気4.0Lフラット6から最高出力500psと最大トルク45.9kg-mを引き出す。最高回転数9000rpm、「電光石火」の7速PDKと組み合わせ、0-100km/h加速3.4秒、最高速度308km/hを達成する。
ポルシェは、軽量ステンレススチール製スポーツエグゾーストとオープンルーフの採用により、「エンジンサウンドを一層魅力的なものにする」と述べている。
ベルトラインより下は718ケイマンGT4 RSとほぼ同じで、大きく開いたエアダクト、ダウンフォース強化のためのアグレッシブなパーツ、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のボンネットとウィング、センターロック式20インチ鍛造アルミホイールなどを備える。
「ワインディングロードで最高のドライビングプレジャーが得られる」ように設計されたという718スパイダーRSは、スポーツチューニングを施したポルシェのアクティブ・サスペンション・マネージメント(PSAM)を標準装備し、車高は30mm低くなっている。また、機械式ディファレンシャルロックを備えたトルクベクタリングパッケージを装備している。
一方、リアデッキには、リアウィングの代わりにダックテールのようなティアオフエッジを採用し、エアロダイナミクスの向上を図った。
ソフトトップは専用設計 軽さ追求
ソフトトップは、重量ペナルティを最小限に抑えるように設計されている。手動操作式で、軽量なシングルレイヤー(単層)キャンバスで作られたルーフ全体の重量はわずか18.3kgと、標準の718スパイダーのものより7.6kg、また718ボクスターより16.5kg軽くなっている。ソフトトップは完全に取り外すことも可能で、さらに8kgの軽量化を実現するという。
ポルシェのGTプロジェクトマネージャーのマルクス・アッツ氏は、AUTOCARの取材に対し、見慣れたスタイリングとは裏腹に、ルーフ設計には多くの時間を費やしたと語った。「一言で言えば、(718ケイマン)GT4 RSのオープンバージョンです。細かいことを言えば、やるべきことがたくさんありました。GT4 RSのインテークシステムと一緒に、ソフトトップをどうやって搭載するかを考えなければなりませんでした」
「GT3エンジンの移植のため、同じエアボックスを使うしかなかったのですが、このエアボックスがルーフを格納するスペースに干渉してしまうんです」
「そのため、ベースのスパイダーのルーフを入れる十分なスペースがなかった……それで、このクルマのためだけに新しいルーフを導入するという大きな問題に直面したのです。しかし、このような問題を抱えた以上、できる限りのベストを尽くしたいと思いました」
718スパイダーRSの車重は1410kgで、標準車より40kg軽い。パワーウェイトレシオでは355ps/トンと、ケイマンの353ps/トンをわずかに上回る。
シートはCFRP製フルバケットで、レザーとマイクロファイバーのカバーを採用。ドアハンドルはプルストラップに、ステアリングホイールは12時方向にイエローのマークが備わったRSユニットとなるなど、インテリアも軽量化を重視した設計である。
生産台数の制限はなく、生産終了予定日は明らかにされていない。日本価格は2024万円(税込み)からで、ポルシェジャパン株式会社は5月10日(水)より全国で受注を開始している。
納車は、欧州では7月に開始される予定だ。