細かな改良で導いた別次元 アストン マーティンDBS770アルティメットへ試乗 DB12への期待 前編

公開 : 2023.05.20 08:25

次期DB12への期待を膨らませるマニフェスト

91.6kg-mというトルクが放つ中間加速の怒涛ぶりに、ドライバーは笑みを堪えきれないだろう。助手席の友人は、叫びながら神へ祈るかもしれない。最高速度は339km/hでリミッターが掛かる。そこまでは、問題なく出せる。

ほかにも、グラマラスなエアアウトレットが切り込まれたボンネットや、宇宙船に装備されていそうなカーボンファイバー製バケットシートは専用品。いずれもV12ヴァンテージから着想を得たという。

アストン マーティンDBS770アルティメット(欧州仕様)
アストン マーティンDBS770アルティメット(欧州仕様)

とはいえ、重要なアップデートを施されたのはシャシー。770アルティメットは2018年に登場したDBSシリーズの最後を飾る限定仕様であり、DB11の後を継ぐことになる、次期DB12への期待を膨らませるマニフェストだともいえる。

次世代への先導者として、ブランドを加勢させる重要な責務を負っている。この見事な仕上がりを踏まえると、DB12はフェラーリ・ローマのライバルになるだけでなく、それを上回る能力を備える可能性もあるかもしれない。

同時に、限定モデルとしてコレクターズアイテム化することも間違いない。DBS770アルティメットのクーペは300台、コンバーチブルのヴォランテは199台が製造されるが、既に完売状態にあるという。

ちなみに、英国価格は31万4000ポンド(約5055万円)だった。DBSスーパーレッジェーラから5万7000ポンド(約917万円)増しとなる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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