999台限定のオープン ミニ・エレクトリック・コンバーチブルへ試乗 次世代への探り?

公開 : 2023.05.21 08:25

海岸線をゆったり流す方が得意

ミニ・エレクトリック・コンバーチブルには、スポーツからグリーンプラスまで、複数から選べるドライブモードが実装され、アクセルレスポンスをマイルドにすることも可能。ステアリングホイールの操舵時の重さも調整できる。

回生ブレーキの効きの強さも選べる。通常はブレーキペダルを踏まずに発進から停止までまかなえる、ワンペダルドライブにも対応する。

ミニ・エレクトリック・コンバーチブル(欧州仕様)
ミニ・エレクトリック・コンバーチブル(欧州仕様)

筆者が運転してみた印象としては、ドライブモードはスポーツより1つ穏やかなミッドで、回生ブレーキは惰性走行できる設定が好ましく感じられた。リラックスして、ミニを滑らかに運転できる。

エンジンやエグゾーストのノイズが放たれない、無音状態に近い聴覚体験は、コンバーチブルにピッタリ。サスペンションも適度にマイルドで、マヨルカ島の路面をしなやかに均していた。グレートブリテン島の傷んだ路面でも、手を焼くことはないだろう。

グレードはクーパーSがうたわれるが、操縦性を磨いた電動ホットハッチだと、高い期待は抱かない方がいい。ハッチバックより車重が増え、重心高も高い。タイトコーナーの頂点めがけて、鋭く食らいついていく勢いは得にくい。

ステアリングの反応はリニアだが、活発な内燃エンジン版ミニのような、テールを振り回せる滑沢さまでは備わらない。峠道をエキサイティングに巡るのではなく、海岸線をゆったり流す方が得意といえる。

魅力的でも少々の割高感は否めない

台数限定のミニ・エレクトリック・コンバーチブルだが、オプションも限定的。ボディカラーで選べるのは、エニグマティック・ブラックかホワイト・シルバーの2色のみ。それ以外、選べるアイテムはないようだ。

サイドシル部分には、「1 of 999」と記されたプレートがあしらわれている。だが、個別に番号が変わるわけではない。お高めな価格を考えると、ちゃんとカウントしても良かったと思う。

ミニ・エレクトリック・コンバーチブル(欧州仕様)
ミニ・エレクトリック・コンバーチブル(欧州仕様)

エレクトリック・コンバーチブルは、魅力的な電動ミニであることに間違いはない。だが、少々の割高感は否めないだろう。希少性によるプレミアもあるとはいえ。

ミニ・エレクトリック・コンバーチブル(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万2500ポンド(約845万円)
全長:3863mm
全幅:1727mm
全高:1415mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.2秒
航続距離:199km
電費:5.8km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1395kg(予想)
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:28.9kWh
急速充電能力:−kW(DC)
最高出力:183ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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