ウルスへ大感謝 ランボルギーニ・ウラカン・ステラートへ試乗 最高に楽しい1499台限定

公開 : 2023.05.17 08:25

ミドシップ・スーパーカーのウラカンにオフローダー仕様が登場。優れた能力と運転の楽しさを、英国編集部は高く評価します。

専用サスで44mmリフトアップ 限定1499台

この場を借りて、ランボルギーニの大型SUV、ウルスへ感謝したい。小ぶりなミドシップ・スーパーカー、ウラカンのバリエーションでは最も面白いと思わせる、ウラカン・ステラートが誕生するキッカケを作ったといえるからだ。

ウルスの開発テストで、ランボルギーニの技術者はオフロードコースを走り込み、楽しい仕上がりになることを確証した。後日に夕食を取りながら、手を加えたウラカンで同じコースを走らせたら、どれだけ楽しいだろうと想像したらしい。

ランボルギーニ・ウラカン・ステラート(北米仕様)
ランボルギーニ・ウラカン・ステラート(北米仕様)

そこで耐久性試験で酷使されたプロトタイプが引っ張り出され、整備し直し、車高の高いサスペンションが取り付けられた。中には懐疑的な人もいたと思う。だが、実際にステアリングホイールを握った誰もが賛同したに違いない。

ウラカンは、2024年をもって生産を終える。最後を飾る特別仕様としてテクニカが提供されるが、ステラートも華を添えることになった。1499台の限定で。ちなみに、ステラートとはイタリア語で未舗装路を意味する。

ベースとなっているのは、四輪駆動でクーペのウラカン。専用サスペンションで車高は44mm持ち上げられ、ストロークはフロント側が35%、リア側が25%増えている。スプリングレートは25%ソフトになった。

タイヤの左右の間隔、トレッドはフロントで30mm、リアで34mm拡大。ホイールベースも9mm伸びている。

四輪駆動システムなどシャシーも入念に改良

オフロードへ対応するべく、シャシーにも入念な改良が施されている。四輪駆動システムのトルク分配や、ブレーキ制御によるトルクベクタリング・システム、リミテッドスリップ・デフとスタビリティ・コントロール制御など、多岐に渡る。

スタイリングでは、大柄なプラスティック製のオーバーフェンダーが特徴的。ボンネットにはラリーマシンのようなスポットライトが装備され、タイヤはランフラットのブリヂストン・デュラーを履く。

ランボルギーニ・ウラカン・ステラート(北米仕様)
ランボルギーニ・ウラカン・ステラート(北米仕様)

インテリアは、基本的にウラカンと同じ。といっても、ランボルギーニらしく退屈なわけではない。

ステラート専用となるのはスポットライト・スイッチ程度。メーター用モニターには、傾斜計とコンパス、ステアリングホイールの角度計が追加され、ドライブモードにはラリー・モードが加わっている。

英国価格は、23万2820ポンド(約3748万円)から。まだ注文は埋まっていないという。もし関心をお持ちなら、早めに動かれた方がいいだろう。

今回筆者が試乗したルートは、速度制限が設けられた舗装路。その後、ラリークロス・サーキットで本領を発揮させてもらえた。

ランボルギーニで最高技術責任者を務めるルーベン・モール氏は、ウラカンを含めたスーパースポーツ・モデルでは、加速力や旋回Gなど動的能力の測定数値を優先して開発されると説明する。だが、同時にドライバーの感覚的な部分も重視される。

それは、このウラカン・ステラートでも同様だった。運転で生まれる笑顔の大きさは数字にしにくいが、従来以上だったのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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