「GT」の名にふさわしいグランドツアラー 10選 長距離ドライブを楽しむ大人なクルマ

公開 : 2023.05.20 18:05

優れた快適性と頼もしいパワー、荷物をたくさん積める実用性。これらを兼ね備えたグランドツアラー(GT)は、長距離走行をいとも簡単にこなしてしまう優れもの。今回はハイエンドな10台を紹介します。

地図の端から端まで走りたくなるGT

「GT」とは、いったい何を意味する言葉なのだろうか。ある自動車メーカーのグレードまたは車名として聞き覚えがあるかもしれない。しかし、歴史的には「グランドツアラー(Grand Tourer)」、おしゃれに言えば「グランツーリスモ(Gran Turismo)」の略として使われてきた言葉である。

グランドツアラーとは、長距離ドライブを楽しむためのクルマだ。つまり、快適な乗り心地やサポート性のあるシートが求められる。ただ、現代では、それだけでは十分とは言えない。移動中も、目的地に停車しているときも、特別な気分でいられることが必要だ。

欧州で販売されているハイエンドな10台を紹介する。
欧州で販売されているハイエンドな10台を紹介する。

かつてグランドツアラーといえば、大きなエンジンを積んだボンネットの長いクーペが定番であった。しかし現在では、エレガントな4ドア車やEVなど、GTの枠は大きく広がっている。GTは、特に走行距離の多い欧米で歴史的に愛用され、また羨望の的となってきたクルマである。

そこで今回は、欧州で販売されている10万ポンド(約1700万円)以下の四輪車の中から、スタイリッシュに、マイペースに、ラグジュアリーに、そして満面の笑みを浮かべながら、何千マイルも走り続けることができる最高のGTを紹介したい。

1. ポルシェパナメーラ

2009年に初代パナメーラが発売された際には、4ドア・セダンのポルシェというコンセプトが物議を醸した。その見慣れないスタイリングは批判の的となったが、見事なまでによくできた真のドライバーズカーであり、楽々と大陸を横断できるクルーザーでもあった。

当時の論争から解放され、デザインも大きく改善された2代目パナメーラは、ポルシェのラインナップの中で良い居場所を見つけたように思える。AUTOCAR英国編集部が2017年に試乗した、最高出力422ps、最大トルク86.7kg-mを発生する驚異的なV8ディーゼルターボ搭載車は、多くの点でライバルより優れていた。

1. ポルシェ・パナメーラ
1. ポルシェ・パナメーラ

ポルシェは2018年にこのV8ディーゼルを廃止したが、依然としてパワートレインには多くの選択肢が残されている。そして2021年、パワートレインにまたもや手が加えられた。最高出力550psのターボモデルは、4.0L V8ツインターボで630psを発生するターボSに切り替えられた。480psのGTSも設定され、ターボSとのギャップを埋めている。

その他、最上位のターボS Eハイブリッドは、エンジンと電気モーターの合計出力が700psとなった。PHEVはこのモデルだけではなく、560psの4S Eハイブリッドに、462psの4 Eハイブリッドもラインナップされている。その他のモデルにはV6ツインターボエンジンが与えられている。

パナメーラは、素晴らしいドライビング・ダイナミクスと、他のどのクルマよりも優れたツーリング性能を見事に融合させている。安心感を与えてくれる重厚なステアリング、正確なハンドリング、確実なグリップ、そして加速力。PHEVのバッテリーの重さにもそれほど悩まされることはない。

4ドア4シーターの標準モデルは、495Lのトランクを備え、リアシートを倒せば1263Lに拡大できるし、車載システムも充実している。しかし、英国編集部がおすすめしたいのは5ドアのスポーツツーリスモだ。5人目の席と広いトランクルームが追加され、エクステリアデザインには、現行ポルシェ911に少し似た新鮮な風が取り込まれているように見える。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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