「GT」の名にふさわしいグランドツアラー 10選 長距離ドライブを楽しむ大人なクルマ

公開 : 2023.05.20 18:05

4. BMW 8シリーズ・グランクーペ

E31世代の初代BMW 8シリーズが姿を消してから最新バージョンが登場するまでには20年近くの空白期間があり、この間に大型GTの市場は大きく変化した。しかし、最新の8シリーズは、前身である6シリーズ・クーペのような先駆的なオーラはないものの、BMWのトレードマークである走る喜びとトップレベルの長距離快適性、贅沢なインテリアを併せ持ち、ステータスと存在感もある。

さらに、アウディA7メルセデス・ベンツCLSに対抗するため、気品ある4ドア・グランクーペの設定もある。以前は、優れた直6ディーゼルツインターボを搭載した840dグランクーペが最高峰だった。しかし、直近のアップデートでは、直6ガソリンの840i、V8のM850i、M8コンペティション・グランクーペのみが残された。

4. BMW 8シリーズ・グランクーペ
4. BMW 8シリーズ・グランクーペ

いずれも四輪駆動だが、全車スチール製サスペンション(メルセデスやアウディのエアサスとは異なる)を採用しており、コストを抑えつつも、うまく調整された運転体験を提供する。さらにM850iでは、四輪操舵とアクティブ・アンチロール・コントロール・サスペンションを装備している。

5. ジャガーFタイプ

デビューから10年近くが経過したジャガーFタイプは、「お別れツアー」を始めている。ジャガーは2023年末にFタイプの生産を終了すると発表しており、直接的な後継車は用意されていない。

その生涯において、Fタイプの役割は微妙に変化してきた。2013年の発売当初は、クールで信頼性の高い「現代版TVR」のようなクルマとして消費者に評価されるだろうと想像していたが、年を経るにつれてV6の人気が高まり、その後ジャガーは4気筒エンジンを搭載して、再び関心を呼び起こそうとした。

5. ジャガーFタイプ
5. ジャガーFタイプ

2020年初頭に行われたフェイスリフト以降、Fタイプは以前よりもさらに多くの市場に展開している。ミドルレンジのP450は間違いなく最も素晴らしいもので、最高出力450psと十分なパワーを持ち、ライバルと比較してお買い得である。また、V8エンジンは、他では味わえないようなサウンドと力強さを併せ持っている。後輪駆動と四輪駆動が選択可能だ。

他のバージョンよりもスポーツ志向が控えめで、最高のGTでもある。20インチのホイールを履くが、乗り心地はとても落ち着いており、アダプティブダンパーをノーマルモードに設定すれば、しなやかで分別のあるドライビングも実現する。また、シャシーチューンがソフトな分、パワートレインがもたらす豊かさな燃焼を存分に味わうことができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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