「GT」の名にふさわしいグランドツアラー 10選 長距離ドライブを楽しむ大人なクルマ

公開 : 2023.05.20 18:05

8. テスラモデルS

最高の長距離ツアラーを表彰するリストに含めるに値するEVがあるとすれば、それは間違いなくテスラ・モデルSである。最新のロングレンジモデルでは、1回の充電で640km以上走行できると言われ、最長800kmのプレイド+仕様も計画されている。スーパーチャージャー・ネットワークにより、高速かつ信頼性の高い充電が可能なので、航続距離に対する不安も和らぐだろう。

もちろん、モデルSは直線でも速い。上位のプレイドは、3基の電気モーターから1000ps以上の出力を発生させ、静止状態から2.0秒未満で100km/hに達するという。それは実際に試乗したときにぜひ確認したいところだが、低出力バージョンでさえ加速力は折り紙付きだ。

8. テスラ・モデルS
8. テスラ・モデルS

モデルSの走りには、大きさや重さが感じられる。グリップの限界を試すようなハードプッシュはせず、落ち着いて走れば、速くて快適な長距離ツアラーになる。風の中を流れるような柔らかい乗り心地から、高速道路では優秀なクルーザーを演じてくれるが、起伏のある道では浮きすぎているように感じることもある。

インテリアデザインは、ミニマリズムの代名詞となっている。物理的な操作系はまばらで、車載機能の大部分はステアリングホイール上の小さなボタンか巨大なタッチスクリーンから操作する。

一方、使われる素材の質感や製造品質は改善されつつあるが、そこはまだ欧州高級車ブランドは敵わない。

9. メルセデス・ベンツEクラス・クーペ/カブリオレ

Eクラスの2ドアモデルは、独特の雰囲気を漂わせている。ドライバーや乗員をワクワクさせるような凝ったギミックよりも、喧騒から離れた穏やかな快適空間の中を漂うことに価値を見出す大人向けの、洗練されたハンサムな2ドアである。

改良によって内外装ともに以前よりもさらに見栄えが良くなっている。風通しの良いキャビンには、メルセデス最新の車載インフォテインメント・システムとスマートに調和する高級素材を使用し、レザー張りの大型シートは優れた快適性を提供してくれる。

9. メルセデス・ベンツEクラス・クーペ/カブリオレ
9. メルセデス・ベンツEクラス・クーペ/カブリオレ

パワートレインは、4気筒ガソリンまたはディーゼルがエントリーモデルとして用意されているが、Eクラス・クーペに最も適しているのは6気筒のガソリンエンジンだ。四輪駆動のE 450は、直進安定性に優れ、快適な乗り心地とスムーズなコントロール性を備えたモデルである。

もう少しダイナミックな走りを楽しみたいなら、メルセデスAMG E 53クーペがいいだろう。E 450よりも魅力的なドライブができるのは確かだが、AMGの最高傑作と比較すると、時折、平凡さを感じることもある。ワインディングロードで白熱したドライブをするよりも、高速で長距離を移動するのに適したクルマであることは間違いない。

ただ、残念なことに、最近発表された6代目Eクラスには2ドアモデルの計画がない。後継車の情報もあるが、ラインナップ見直しにより名称が変わるようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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