「GT」の名にふさわしいグランドツアラー 10選 長距離ドライブを楽しむ大人なクルマ

公開 : 2023.05.20 18:05

10. レクサスLC

走りに熱心なドライバーであれば、LCを推したくなるだろう。LC 500にはカリスマ的なV8エンジンが搭載されており、バランスのとれた軽快なハンドリングは、ジャガーFタイプポルシェ911がライバルなのだと感じさせる。

しかし、その一方で、LCは大きくて重く、鈍重に感じられる。少し扱いづらいところもあり、愛憎入り交じるアンビバレントな感覚から逃れることはできない。GTとしても、荷室スペースの少なさ、後部座席の使いづらさ、ランフラットタイヤによる木訥(ぼくとつ)な乗り心地は、いずれも特筆すべきウィークポイントだ。

10. レクサスLC
10. レクサスLC

クーペでは、前述のV8エンジンとV6ハイブリッドのLC 500hの2種類から選ぶことができる。LC 500コンバーチブルもあるが、ハイブリッド用バッテリーの設置場所にルーフが収納されるため、V8のみの設定となる。とはいえ、そこは悲しむところではない。ハイブリッドはあまりスポーツカーには向かないし、ルーフを下ろせば素晴らしい自然吸気V8をより一層楽しむことができるからである。

結局のところ、長所に感動するか、短所に不満を抱くかで評価が二極化するだろう。ダイヤモンドの原石と見るか、単なる石ころと見るかはその人次第である。しかし、もしドライバーズカーが好きで、ハイブリッド車を避けているのなら、不変の価値を見出すことができるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事