我が道を行く個性派クロスオーバー 10選 他人と被りたくない英国人が選ぶクルマたち

公開 : 2023.05.21 18:05

2. フォルクスワーゲンTロック

フォルクスワーゲンTロックの登場は、非常に印象的なものであった。同社は実用的なコンパクトSUVとしてティグアンを販売しながら、2017年にTロックをデビューさせた。シャープで興味深いスタイリング、よくできたインテリア、正統派SUVというよりは小型ハッチバックに近いハンドリング特性を持っている。

前述のクプラフォーメンターほど走りは良くなく、実用性も高くなく、インテリアの質感にも多少疑問があるが、バランスの取れた品の良さと完成度の高さから、英国編集部おすすめの1台となっている。

2. フォルクスワーゲンTロック
2. フォルクスワーゲンTロック

2022年のマイナーチェンジでは、ヘッドライトとフロントエンドのデザインが変更され、スポーツルックなRライン仕様も追加されたほか、ソフトで手触りの良いインテリアトリムや新しいインフォテインメント・システムも導入された。

エンジンは、1.0L、1.5L、2.0Lのガソリンエンジン、最高出力115psまたは150psの2.0Lディーゼルが用意されている。パフォーマンスモデルのTロックRも選択可能だ。

ミドルグレードの価格は妥当で、同クラスのセアトアテカスコダ・カロックの方がまだ若干安いものの、フォルクスワーゲンらしいスムーズな操作性と実用性、洗練されたスタイルを組み合わせている。

3. プジョー408

コンパクトSUVへの参入が少し遅れたように、プジョーも今日のクロスオーバー市場への参入は少し遅れている。皮肉なことに、プジョーは2009年に初代3008を発売しているが、当時としてはかなり大胆で斬新なクロスオーバーであった(ディーゼルハイブリッドもあった)。しかし、その数年後には、はるかに箱型で保守的なコンパクトSUVに置き換えてしまった。

そして今、308や3008と同じプラットフォームを使い、再び斬新な何かを実現しようとしているのが408である。車高を上げながらも、弧を描くルーフラインと細長いハッチバックテールを持つこのクルマは、14年前の初代3008とは全く異なる方向性で、明らかにスタイルを優先している。今回取り上げた10車種の中ではやや長く、低めのスタンスではあるが、依然としてクロスオーバーであることは明確だ。

3. プジョー408
3. プジョー408

インテリアの広さは印象的なもので、プジョーが過去10年間で取り組んできたプレミアム感の向上を体現している。荷室スペースは500Lを超え、リアシートでも大人がフロントとほぼ同じように快適に過ごせるはずだ。

パワートレインは無駄を削ぎ落とし、1.2Lのターボチャージャー付きガソリンエンジンと1.6LベースのPHEVを展開している。シンプルで軽いガソリン車の方が乗り心地もハンドリングも良く、重いハイブリッド車の方は、低速域での乗り心地が重く、硬く感じられる。電動パワートレインはドライバビリティにやや癖があり、苦戦することもある。しかし、ボディコントロールは良好で、ハンドリングの滑らかさはどちらも非常に好印象。

ハイブリッドの上級グレードは4万ポンド(約680万円)を超えるため、お買い得なモデルとは言えないが、プジョーが本気を出せば魅力的なニュータイプを生み出せるのだ、ということを如実に物語る1台である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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