我が道を行く個性派クロスオーバー 10選 他人と被りたくない英国人が選ぶクルマたち

公開 : 2023.05.21 18:05

4. マツダCX-30

はじめに申し上げておくと、英国編集部はマツダCX-30が好きだ。シルキーなハンドリングと上質なインテリアは同クラスで際立っており、すらりとしたエクステリアデザインの洗練度は、他にはほとんど見られない非常に珍しいものだ。

コンセプトもシンプルだ。英国では2種類のガソリンエンジン、前輪駆動と四輪駆動から選択可能。eスカイアクティブXは、革新的な希薄燃焼の着火技術「SCCI」を採用し、長距離クルージングでの燃費を大幅に向上させる。どちらのエンジンにもマツダのマイルドハイブリッド技術が搭載され、クラス標準よりややスポーツ寄りの乗り心地とハンドリングを持つ。走行特性は非常によく吟味された妥協点に落ち着いている。

4. マツダCX-30
4. マツダCX-30

室内空間がやや小さいのは残念。また、ガソリンエンジンにはライバル車のようなターボチャージャーのトルクがないため、クルマの性能を引き出すには、想像以上にハードワークが必要だ。

それ以外の点では、マツダCX-30はこのクラスで最もダイナミックに完成されたクルマであることは間違いない。

5. キア・ニロ

2代目となったキア・ニロは、人々の目を引きつける特異な存在だ。淡白で無機質な先代モデルのビジュアルを大きく飛び越え、塊感のある角ばったフォルムを備えている。そのデザインは、キアが多くのモデルラインで展開している一貫性のあるもので、一目で他社と判別できる。

プロポーションは先代モデルと似ており、ハッチバックのサイズ感を大きく超えることはないが、最低地上高は少し高くなっている。室内空間は、特にリアシートにおいて良好であり、適切なパワートレインを選択すればトランクスペースもかなり競争力がある。

5. キア・ニロ
5. キア・ニロ

ドライビング・エクスペリエンスは、それほど印象的なものではない。ハイブリッド車とPHEVに搭載される1.6Lターボエンジンは、十分に洗練されているものの、走りにはあまり積極的ではなく、コントロールも少し無機質に感じることがある。しかし、もっと控えめに運転すれば、驚くほど経済的なクルマになり得る。フル電動のニロEVを選択すれば、航続距離が長く、パンチ力もある。

6. BMW X2

X2は、BMWの「X」ブランドの中でも珍しいモデルの1つで、比較的高い実用性と車高を持つ。ハッチバックとクロスオーバーの中間的な存在だが、それは悪いことではなく、より実用的な役割を担うのは箱型のX1である。

2017年当時、BMWとしてはまだ珍しかった前輪駆動を採用した。だからといって、走りを大切にする人を落胆させることはないだろう。ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと各種パワートレインを揃えて発売されたが、英国ではディーゼルが除外されてしまった。しかし、現存する3気筒と4気筒のガソリンターボは、十分なマッスルと洗練性を備えている。

6. BMW X2
6. BMW X2

PHEVのX2 xドライブ25eもある。トップグレードのX2 xドライブM35iが最も運転が楽しいのは間違いないが、日常的な運転には、それ以下のバージョンの方が丸みを帯びていて使いやすい。

X2のステアリングはダイレクトで楽しく、ボディ・コントロールはクラス標準からしても優れている。もっと実用的なモデルは他にもあるが、これほどダイナミックで鋭敏なものはほとんどない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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