優しい乗り心地 機敏な身のこなし マセラティ・グレカーレ・モデナへ試乗 2.0L 4気筒ターボ

公開 : 2023.05.26 08:25

人気カテゴリーを追った中型SUVのグレカーレ。機敏な走りに上級感ある内装など、充分な訴求力を持つと英編集部は評価します。

ベースはジョルジオ・プラットフォーム

ポルシェのマカンに相当するマセラティのSUVが、グレートブリテン島にも上陸した。今回筆者が試乗したグレカーレ・モデナの英国価格は、6万7810ポンド(約1092万円)から。最高出力は329psで、3段階提供されるラインナップの中心的な存在といえる。

ちなみに、エントリーとなる300psのグレカーレ GTは6万1570ポンド(約991万円)から。ハイパワーなグレカーレ・トロフェオは532psで、9万9700ポンド(約1605万円)に設定されている。

マセラティ・グレカーレ・モデナ(英国仕様)
マセラティ・グレカーレ・モデナ(英国仕様)

エンジンは2.0Lの直列4気筒ターボガソリン。トランスミッションは8速オートマティックが組まれ、四輪駆動となる。機械式のリミテッドスリップ・デフも組まれる。エアサスペンションはオプションで、試乗車には装備されていた。

グレカーレがベースとしているのは、アルファ・ロメオが開発したジョルジオ・プラットフォーム。優れた走りで定評のある、アルファ・ロメオ・ジュリアやステルヴィオも採用するもので、マセラティのSUVとしては理想的な基盤になったといっていい。

ホイールベースは、ステルヴィオより83mm伸ばされている。全長は4847mmで、160mm長い。

上質な素材がふんだんに用いられた内装

インテリアから確認していくと、上質な素材がふんだんに用いられ、居心地が良い。雰囲気を引き締めるステッチは445ポンド(約7万円)、カーボンファイバー製トリムは2030ポンド(約33万円)のオプションだが、なくても印象に大差はないだろう。

しっくり来るドライビングポジションを探しやすく、ステアリングホイールはほぼ正円。ステアリングコラム側から、かなり大きなシフトパドルが手元に伸びる。コーナーでも、パドルの位置を把握しやすい。

マセラティ・グレカーレ・モデナ(英国仕様)
マセラティ・グレカーレ・モデナ(英国仕様)

ダッシュボードの中央には、大きめのタッチモニターが上下2段に埋め込まれている。上段はカーナビなどのインフォテインメント用。下段はエアコンやシートヒーターなどの操作を担うが、実際に押せるハードスイッチの方が扱いやすいとは思う。

そのモニターの間に、トランスミッションのセレクタースイッチがある。センターコンソールは、カップホルダーとスマートフォンの充電パッド、大きなアームレスト、小物入れなどに充てがわれている。

リアシートの空間にはゆとりがあり、荷室の容量は535Lでマカンなどと比べて広い。グレカーレの主な市場となるアメリカで、好調に売れそうだと想像できる。

4気筒エンジンで四輪駆動のマセラティを試乗するとは、10年前の2013年には想像もしていなかったと思う。しかも6万7810ポンド(約1092万円)もするSUVを。時代は大きく変化したものだ。

記事に関わった人々

  • マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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