ランボルギーニ・アステリオン LPI 910-4
公開 : 2014.10.02 22:50 更新 : 2017.06.01 02:11
ランボルギーニはパリ・モーターショーで、ワンオフのコンセプト・モデル、アステリオン LPI 910-4を公開した。910psを発揮するプラグイン・ハイブリッド・ガソリン・エンジンを搭載する2シーター・モデルだ。
“日常的に都市部で運転しやすく、それでいてランボルギーニ独特のクルージング・エクスペリエンスを有する” と評するモデルで、モーター・パワーだけで50kmの距離を走ることができる。
パリ・モーターショーの直前に、ランボルギーニの社長、シュテファン・ヴィンケルマンによってプレス関係に公開されたアステリオン LPI 910-4は、フェラーリ・ラ フェラーリやマクラーレンP1、そしてポルシェ918スパイダーのように複合型のハイブリッド・エンジンを搭載する。”毎日のクルージングにおいて贅沢な時間を過ごすこともできるが、最終的にはサーキットでのパフォーマンスを重視した” とコメントしている。
そのパワートレーンは、ランボルギーニ・ウルスのプロダクション・モデルでデビューを果す予定のハイブリッド・ユニットをベースとしたもの。610ps、57.1kg-mのパワー、トルクを発揮する5.2ℓのV10ガロリン・ユニットは縦方向に搭載され、トランスアクスルに搭載された7速デュアル・クラッチ・ギアボックスを介してリア・ホイールを駆動する。モーターはブラシレス・タイプで3つが搭載される。ひとつはリア・ホイールを駆動し、残りの2つはフロント・ホイールを駆動する。モーターのみの出力は300psで、アステリオン LPI 910-4にトータル・パワーは910psとなる。
ドライバーはステアリング・ホイールに付けられたボタンによって3つのドライビング・モードを選ぶことができる。”Z” はゼロ・エミッション、”I” はハイブリッド(イタリア語ではIbridoとなる)、そして”T” はフルパワー・モードだ。
3つのモーターのためのバッテリーは、本来はギアボックスが置かれるセンター・トンネルのキャビン近くにセットされるリチウム・イオン電池だ。ランボルギーニは、このポジションは最高のバランスを獲得するのに最適であり、しかも安全面でもクラッシュ・セーフティが保たれる場所であるという。
FWDとなるエレクトリック・モードでは、航続距離は50km、最高速度は125km/hだ。ハイブリッド・モードでは、0-100km/h加速3.0秒、そして最高速度は320km/hに達する。燃費は20.0km/ℓで、CO2排出量は98g/kmという優れた値だ。これは、アヴェンタドールの約1/3という数値である。
ボディは、ウラカンに使用されるものを発展させたカーボンファイバー・モノコックが使用され、ボディ・スキンはカーボンファイバー・コンポジット・プラスティック製。重量は公表されていないが、ハイブリッド・システムとリチウム・イオン電池を採用したための重量増は250kgほどであるという。
デザイン・ボスのフィリッポ・ペリーニは、このアステリオン LPI 910-4のデザインに、ウルスを感じさせるようなテイストを用いた。最近のランボルギーニのアグレッシブでエッジの効いたデザインというよりも、曲面を活かしたスタイリングとなっているのが特徴だ。
いつも論争の的となるフロントのスタイルは、古典的なイタリアン・スーパーカー、デ・トマソ・パンテーラからインスピレーションを受けたようにも見れる。それが、ウラカンで用いられたデザイン・キューと融合しているといった感じだ。
日常的な使い勝手を考えて、アステリオン LPI 910-4はアヴェンタドールやウラカンのように極端に低いドライビング・ポジションではない。また、フロント・ガラスの造形にも、キャビンへのエントリーを楽にするような工夫がされている。また、シートの後ろには、ラゲッジ・コンパートメント・スペースも設けられている。
アクティブ・クーリング・システムは、このアステリオン LPI 910-4で採用された新しい機構だ。エア・インテークには、ダブル・レイヤーのメタルとチタンのメッシュが使用され、Yシェイプのヘキサゴン・テーマが採用される。エンジン・カバーは透明で、ドライビング・モードのよってポジションが変わるもの。
アステリオンというネーミングは、ランボルギーニの伝統に従って雄牛の名前から取られている。アステリオンは神話に出てくる雄牛なのだ。LPI 910-4は、縦置きを表すLP、ハイブリッドを表すI(Ibrido)、パワーを表す910、そして4輪駆動を表す4の文字を組み合わせたものだ。