日本6000台目のアルピナ、44年の歳月かけオーナーのもとへ 粋なチョイス光るB4グランクーペ世界1号車

公開 : 2023.05.19 08:15  更新 : 2023.05.19 13:16

オーナーズトーク 作り手の顔を思い浮かべながらのドライブ

今なお職人による手仕事の領域も少なくないアルピナ車は、それを選んだオーナーの趣味性が反映されている点も特徴といえる。

今回のB4グランクーペをオーダーした松岡氏は2011年のフランクフルトショーでアルピナと出会い、D3リムジン・ビターボを皮切りに、今回まで実に5台のアルピナを手に入れてきた。

プリントした松岡氏とアルピナの思い出。「ブッフローエを訪ねてからは、作っている人の顔を思い浮かべながらアルピナをドライブしています」と松岡氏。
プリントした松岡氏とアルピナの思い出。「ブッフローエを訪ねてからは、作っている人の顔を思い浮かべながらアルピナをドライブしています」と松岡氏。

今回のB4グランクーペにも、アルピナをよく知るオーナーならではのツボを押さえたチョイスが見て取れる。

「これまではアルピナ・ブルーを選んできましたが、今回B4グランクーペはスタイリングを見て、アルピン・ホワイトが似合うのでは? と思って決めました。アルピナ・ストライプは金色。今日初めて実車を見ましたが、思っていた通りの仕上がりでした」

「あと個人的なこだわりとしてステアリングをアルカンターラで仕上げてもらいました。これはB3 GT3で体験して、とても使い心地が良かったので選んでみました」と松岡氏。

度々ドイツのアルピナ本社も訪ねているという松岡氏にその印象を聞いてみた。

「いつも温かく迎えてくれますし、工場の皆さんが楽しそうに働いていてアットホームな感じも好きです。職人の中には親子で働いている人もいて驚かされます。ブッフローエを訪ねてからは、作っている人の顔を思い浮かべながらアルピナをドライブしています」

様々なブランドのクルマを所有しているという松岡氏だが、それでもアルピナだけは特別な存在なのだという。

「アルピナはいつもそばに置いておきたいお守りのようなクルマです。ドライブしていてとにかく楽しくて安心だし、ビジネスを頑張ろうというモチベーションにもつながります」

44年の歳月をかけ日本6000台がもたらされたアルピナ。このエクスクルーシブなドイツ車は、熱い志を持ったファンによってしっかりと支えられているのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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