実用的なのに見た目も良い欧州ミニバン 10選 奥が深すぎる合理的なMPVの世界

公開 : 2023.05.28 18:05  更新 : 2024.08.16 16:11

8. フォード・ギャラクシー

フォードSマックスには、一回り大きく、より実用的なギャラクシーという兄貴分がいる。これは、フォードオリジナルのミニバンである。ぱっと見はSマックスとよく似ており、ハイブリッド・パワートレインも共通だが、ルーフラインが高く、キャビンが少し広くなっている。

さらに7人乗りが可能であり、大家族の貴重な移動手段となっている。Sマックスに比べれば運転はしにくいが、高速道路での快適性は高く、フォードが得意とするハンドリングも驚くほど優れている。

8. フォード・ギャラクシー
8. フォード・ギャラクシー

しかし、ギャラクシーに残された時間はわずかである。バンタイプの代替車が練されたものになっているため、フォードがこの種のミニバン開発をやめた理由もわからなくはない。でも、ギャラクシーにはまだ賞賛すべき点がたくさんある。もし、乗用車らしいドライビング・エクスペリエンスを求めていて、かつスペースを増やしたいなら、ギャラクシー(とSマックス)は素晴らしい選択肢となるだろう。

9. フォード・トルネオ・カスタム

スペースの広さと乗員の収納能力を最大化することを第一に考えるなら、中型バンの乗用車バージョンに注目したい。フォード・トランジット・カスタム、そしてトルネオ・カスタムも同じで、乗員を乗せるための居住性を高めたバンとなっている。

英国編集部のあるカメラマンはトルネオ・カスタムPHEVを6か月間使用してみたところ、その多用途性が彼のライフスタイルにぴったりで、走りの面ではフォーカスに敵わないものの、運転が退屈に感じることはなかったという。ただ、英国編集部としては通常のディーゼルをお勧めする。PHEVの電気航続距離は48kmとわずかで、長距離の移動にはディーゼルが向いている。

9. フォード・トルネオ・カスタム
9. フォード・トルネオ・カスタム

10. メルセデス・ベンツEQV

メルセデス・ベンツは、SUV系のEQBと、バン系のEQVによって、7人乗りのEVをうまく棲み分けしている。事実上、VクラスのEVバージョンであるEQVは、大きくて背の高い商用車のようなミニバンで、サイドドアはスライド式、2列目のキャプテンチェアは、回転して前方にも後方にも向くことができる。

最高出力207psの電気モーターを搭載し、航続距離は320km強とされる。また、エアサスペンションを装備しているため驚くほど静粛性が高く快適で、大きく重い割にはハンドリングも良好である。

10. メルセデス・ベンツEQV
10. メルセデス・ベンツEQV

空港の送迎ハイヤーでEQVに乗れればラッキーだ。充電の手間はかかるが、税制上の優遇措置を考慮すれば、タクシー運転手やプライベートハイヤーも喜んでEQVを走らせるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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