ジウジアーロ氏、ヒョンデにもっと「関わりたい」 デザイン協業に意欲 初代ポニー・クーペ復元

公開 : 2023.05.22 18:05

自動車デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏は、ヒョンデのデザインプロジェクトにもっと関わっていきたいと語りました。1974年に手掛けたポニー・クーペのデザインは、最新モデルにも大きな影響を与えています。

1974年のコンセプト復元 さらなる協力に意欲

イタリアの代表的な自動車デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏は、韓国のヒョンデ(現代自動車)との協力関係を今後も続けていきたいと語っている。

初代フォルクスワーゲン・ゴルフランチア・デルタデロリアンDMCなど、あらゆるアイコンを生み出したジウジアーロ氏は今回、ヒョンデとタッグを組み、1974年のコンセプトモデル「ポニー・クーペ」を復元した。

1974年当時、まだ乏しかったヒョンデのデザインの基盤となったポニー・クーペ。
1974年当時、まだ乏しかったヒョンデのデザインの基盤となったポニー・クーペ。    ヒョンデ

初代ポニー・クーペのデザインはジウジアーロ氏が手掛けたもので、現在販売されているEVのアイオニック5などにも大きな影響を与えたが、当時のオリジナル車両は現存しない。そこで昨年末、ジウジアーロ氏の協力を得て復元を目指すことが発表された。

今回、復元されたポニー・クーペの発表会でのインタビューで、84歳のジウジアーロ氏は、将来のモデルについてもヒョンデと協力する用意があると示唆した。

自身のGFGスタイル社(2015年に息子のファブリツィオ氏と設立)とヒョンデのパートナーシップは今後も続いていくか、との記者の質問に対し、彼は「そう願います。新しいプロジェクトに関わりたいという願望は確かにあります」と応えた。

「ヒョンデはとても、とても大きなデザインとクリエイティブチームを持っていますが、外部から影響力やクリエイティブなアイデアを得ることは常に重要です。当社(GFGスタイル)のような企業は、新しい研究や新しいアイデアによって彼らを効果的に刺激し、デザインチームにとって有益なものを作り出すことができるからです」

ヒョンデは新型の市販車に、歴史的なデザイン要素を採り入れていく方針だ。デザイン責任者のイ・サンヨプ氏は、今後のデザイン戦略を「レガシー」に根付いたものにすると述べ、アイオニック5やアイオニック6の「パラメトリック」なピクセルヘッドライトなどを、数十年の歴史を想起させる要素として挙げている。

1974年の仕様を忠実に再現したポニー・クーペは、ヒョンデの企業コレクションで保存され、市販の予定はない。しかし、ここからインスピレーションを得たデザインが、今後の市販車で見られる可能性はある。

次に発表されるヒョンデのEVは、2021年に「セブン・コンセプト」として公開された、3列シートの大型SUV「アイオニック7」であろう。しかし、そのデザインなどについては今のところ明らかにされていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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