Z4のクーペ版? BMW、ハードトップのシューティングブレイク公開 ワンオフ車

公開 : 2023.05.23 06:05

BMW Z4をベースとするコンセプトカー「ツーリング・クーペ」が公開されました。初代Z3クーペの精神を受け継ぐもので、実用的なテールゲートなど専用デザインを採用。1台限りのワンオフです。

夢のワンオフ車 ベースはZ4

BMWは、初代Z3クーペのスピリットを復活させたコンセプトカー「ツーリング・クーペ」を発表した。イタリアのコモ湖畔で開催の自動車イベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」で実車が披露された。

ツーリング・クーペは、1998年に発売されたZ3クーペ、2006年発売のZ4クーペのデザインを踏襲しつつ、最新の現行型Z4をベースに製作したワンオフ車である。シルエットは2ドア・シューティングブレイクで、テールゲートを備え、日常での実用性を高めている。

コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露されたツーリング・クーペの実車
コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露されたツーリング・クーペの実車    AUTOCAR

このコンセプトカーは、ドイツ・ミュンヘンにあるBMWデザインスタジオによって開発された。

同社のデザイン部門を率いるドマゴイ・ドゥケック氏は、「コンセプト・ツーリング・クーペは、オリジナルの『駆け抜ける喜び』を体現するものです。このような非常にエモーショナルなクルマは、ドライビング・プレジャーに関わるすべてのものに対する情熱が、時代を超えて不可欠であること、そして未来へとつながることを示します」と述べた。

ツーリング・クーペは現行のZ4をベースとしているが、キドニーグリルはアルミニウムルックの独自のデザインとなっている。サイドウィンドウも専用設計で、ハードトップルーフには深い溝が彫刻されている。このルーフは、新しいスリークォーターパネルとシームレスに融合し、ワイドなピラーとリアフェンダーを形成して、まとまりのある外観に仕上げている。

サイドから見ると、キャビンが独特な形状をしていることがわかる。大きく張り出したウエストラインからリアに向かって大きく弧を描き、リアサイドウインドウとともにブラッシュド・アルミニウムで囲われている。

実用的で美しいリフトバック

リアは、リフトバックスタイルのテールゲートが特徴的だ。このテールゲートには、ルーフを大きく見せるような大型スポイラーが備わっており、開けるとフラットな収納スペースが現れる。

ヴィラ・デステで披露された車両には、独自にデザインされたフロント19インチ、リア20インチのホイールが装着されていた。

コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露されたツーリング・クーペの実車
コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露されたツーリング・クーペの実車    AUTOCAR

インテリアでは、標準のZ4よりも高級感あるデザインを採用。野球のキャッターミットにも似たステッチが施されたタンレザーシートが特徴的だ。また、ダッシュボード下部、センターコンソール、リアラゲッジコンパートメントにも同じレザーが使用されている。

BMWのデザインチームはまた、イタリア・モデナに拠点を置くレザー工房スケドーニ(Schedoni)と協力し、大小2つの旅行バッグと1つのガーメントバッグからなるラゲージセットを製作した。

BMWはコンセプトカーの名称について、1940年にミッレミリアで優勝した328ツーリング・クーペにちなんだものと説明している。また、シューティングブレイクのデザインは2002ツーリングを想起させるもので、現代のBMWで初めて「ツーリング」という名称が付けられたのは、2002セダンとの差別化を図るためだとしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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