現実的で合理的なハイブリッドSUV(PHEV) 10選 現代の最適解となり得る才能

公開 : 2023.06.03 18:05

2. ボルボXC90リチャージT8

XC90の魅力は年数を重ねても衰えることはなく、むしろより良くなっている。このクラスの多くの他車とは異なり、本当に使いやすい7人乗りSUVであり、インテリアはスタイリッシュで魅力的だ。XC90は最近バッテリーをアップグレードしたことで、電気のみで60km強を走行できるようになった。

BMWほどダイナミックな走りはできないし、2.0Lガソリン(スーパーターボ)と電気モーターの組み合わせは、6気筒の洗練性に欠ける。しかし、400psをわずかに下回るパワーは十分に有効で、0-100m/h加速5.4秒という驚異的な加速力を誇る(これより遅いスポーツカーはたくさんある)。クールなスカンジナビアン・センス、静かな室内、しなやかな乗り心地が、心拍数とストレスレベルを下げてくれる。

2. ボルボXC90リチャージT8
2. ボルボXC90リチャージT8

3. トヨタRAV4 PHEV/スズキ・アクロスPHEV

この2つの日本製SUVは、異なるエンブレムを付けているが、実質的には同じものである。RAV4 PHEVとスズキ・アクロスPHEVは、トヨタの2.5Lベースのプラグインハイブリッド・パワートレイン、TNGAプラットフォーム、広々としたインテリア、そして18.1kWhバッテリーによる電気走行など、さまざまな要素を共有している。

市販のPHEVでは、メーカー公称値の性能をそのまま発揮できるクルマは稀だが、この2台はほぼ仕様書通りの性能を実現している。英国編集部によるスズキ・アクロスPHEVの試乗では、77kmもの距離を電気のみで走行することができたのだ。家庭用充電器さえあれば、ガソリンエンジンを使う機会はほとんどないだろう。

3. トヨタRAV4 PHEV/スズキ・アクロスPHEV
3. トヨタRAV4 PHEV/スズキ・アクロスPHEV

しかし、そのパワートレインをフルに使ってみると、パンチのある加速に驚かされるとともに、非常に低燃費であることに気づくはずだ。駆動用バッテリーを使い切っても、17km/l半ばという燃費を簡単に実現できる。さらに、ハンドリングは安定感に満ちていて、乗り心地も落ち着いている。

英国では4万5000ポンド(約770万円)を超える車両価格に頭を悩ませる人もいるかもしれないが、税制優遇は、特に法人ユーザーにとっては魅力的だろう。ただし、RAV4が6.6kWの充電が可能なのに対し、アクロスは3.3kWに制限されていることに注意したい。

4. ヒョンデ・サンタフェ

ヒョンデ・サンタフェには、純エンジン、フルハイブリッド、PHEVなど豊富なパワートレインが用意されているが、その中でも高速道路のロングドライブや毎日の通勤・通学、子供の送迎に最も適しているのはPHEVだ。

合計出力265psと十分なパワーがあり、停止状態から勢いよく加速する。正確なハンドリングと適度な快適性も備えており、これほどリラックスして運転できるクルマも少ないだろう。懸念があるとすれば、EV走行距離がわずか50kmに制限されていることから、英国では手厚い税制優遇が受けられない(先述のトヨタRAV4 PHEV/スズキ・アクロスPHEVに劣る)という点だ。

4. ヒョンデ・サンタフェ
4. ヒョンデ・サンタフェ

それでも、同クラスのガソリン車やディーゼル車よりはメリットがあるし、スマートで広々としたインテリアには高級感もある。ヒョンデのプレミアム志向はどうやら見当違いではなさそうだ。また、装備も充実しており、3列目シートは子供用ではあるものの、子育て中のファミリーが必要とするスペースは十分確保されている。その他、優れた製造品質や、5年間の長期保証(個人ユーザー)といった魅力も捨てがたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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