現実的で合理的なハイブリッドSUV(PHEV) 10選 現代の最適解となり得る才能

公開 : 2023.06.03 18:05

5. ボルボXC60 T6

XC90と同様に、ハンサムなXC60にもPHEVが用意されている。標準車との最大の違いは、18.8kWhバッテリーの採用で、欧州WLTPサイクルのEV走行可能距離は80km弱とされる。これによって、快適なXC60でさらに静かな移動が可能になり、英国の税制優遇も手厚いものとなる。

合計出力400psを発揮するフラッグシップモデルのT8もあるが、その価格は7万ポンド(約1200万円)に迫る勢いだ。ベターなのはT6で、BMW X3などのライバルが目指している高度なコーナリング性能よりも快適なクルージングを優先したモデルである。モーターとバッテリーはT8と同じなので、電気だけで移動するときの洗練性は上位モデルと変わらない。

5. ボルボXC60 T6
5. ボルボXC60 T6

6. ランドローバーレンジローバー・スポーツP440e

3代目となるレンジローバー・スポーツの中で最もダイナミックなP440eは、驚くなかれ、これまでで最高のモデルである。魅力の中心となっているのは、ブランド最新の電動パワートレインで、3.0L直6ターボチャージャー「インジニウム」とトランスミッション内蔵の電気モーター、38.2kWhの大型バッテリーを組み合わせている。

その結果、電気のみで走行できる距離は113kmに達し、多くのオーナーにとってBEVが必要なくなるほど十分な性能を発揮する。

6. ランドローバー・レンジローバー・スポーツP440e
6. ランドローバー・レンジローバー・スポーツP440e

広々とした豪華なインテリアには、高級素材がふんだんに使われ、先進技術も満載。走行中は、兄貴分レンジローバーと同じように静かで快適だが、四輪操舵とアクティブアンチロールを追加することで、俊敏性と走る楽しさをさらに高めている。決して安くはないが、人生において最高のものに出会える機会はめったにないのだ。

7. メルセデス・ベンツGLE 350de 4マチック

メルセデス・ベンツ最新のディーゼルベースのPHEVの1つであるGLE 350deは、6万5000ポンド(約1120万円)という大変高価な乗り物だが、その大きな駆動用バッテリーと98kmというクラストップの電気走行距離(欧州WLTP)のおかげで、裕福なドライバーに注目される価値がある。税制優遇と合わせて、次々のランニングコストは想像以上に低く押されられる。

英国編集部の試乗では、EVモードとハイブリッドモードで特に、パワートレインのレスポンスとドライバビリティが良く、洗練された走りが印象的だった。「レンジエクステンダー」的な2.0L直4ディーゼルエンジンは、バッテリーが空になると、重い車体を動かすのに少し苦労する。しかし、実際の電気航続距離はメーカー公称値に非常に近いところまで伸びるので、エンジンを使うことはあまりないかもしれない。

7. メルセデス・ベンツGLE 350de 4マチック
7. メルセデス・ベンツGLE 350de 4マチック

乗り心地や静粛性は非常によく、電動パワートレインの重量増を感じさせないハンドリングは、ややソフトだがダイレクト感が薄い。

一方、GLE 350deは牽引車としても魅力的である。ブレーキ付きトレーラーで最大2.7トンを牽引可能とされているが、これはライバルのPHEVよりもはるかに優秀だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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