遊びにも仕事にも使える最高のピックアップトラック 10選 積載力と快適性を両立する贅沢なクルマ

公開 : 2023.06.04 18:05

フォードF-150ライトニング/F-150ラプター

北米のベストセラー車、フォードF-150に導入されたEVモデルは海外でも注目されている。F-150は米国生まれ、米国育ちのピックアップトラックだが、一回の充電で最大480km走行可能な「F-150ライトニング」は、アメ車の新時代を告げるモデルと言える。全幅2430mm(ミラーを含む)とワイドなので、英国の道路にはうまくフィットしないだろうが、かつてのV8エンジンを搭載したモデルよりは、社会的に受け入れられやすいかもしれない。

F-150ライトニングの米国での販売価格は3万9974ドル(約580万円)からで、ポンド換算ではフィアット500eと同等になる。バーゲンセールのように聞こえるが、EVであるがゆえに、いくつか妥協しなければならない点がある。例えば、航続距離を稼ぐためにバッテリーの重量が大きいため、最大積載量は900kg程度にとどまる。一方、牽引力は最大4500kgと群を抜いている。

フォードF-150ライトニング/F-150ラプター
フォードF-150ライトニング/F-150ラプター

荷物の積載量はやや物足りないが、双方向充電など、便利な機能を数多く備えている。つまり、車両を最大9.6kWのポータブル電源として使うことができるのだ。建設現場でもキャンプ場でも役に立つだろうし、停電時には自宅の電力もまかなえる。

もちろん、高性能モデルのラプターもある。欧州ではレンジャー・ラプターが頂点に君臨するが、このF-150の前では「簡易版ラプター」と言わざるをえない。最新のF-150ラプターには、かつてのような騒々しいV8エンジンはもう搭載されていないが、ツインターボV6エコブーストが最高出力450psを発生する。とんでもないパフォーマンスだ。

リビアンR1T

才能あるエンジニアとジープ出身のデザイナーによる少数精鋭のグループが立ち上げた自動車ビジネスは、「第2のテスラ」とも呼ばれるほど注目を集めている。リビアンは、世界初の「アドベンチャーEV」を作るために、ゼロから独自のEV用プラットフォームを設計した。同社CEOのRJ・スカリンジ氏の話を聞く限りでは、新型R1Tはランドローバーとテスラを足して2で割ったようなものと言えそうだ。

納車開始時期はこれまで何度も延期されてきたが、米国ではすでに生産が始まっており、SUVのR1Sも登場している。R1Tが欧州に導入されるかどうかはわからない。リビアンが欧州に工場を構える計画もあるが、これは主にバンの生産に使われるだろう。

リビアンR1T
リビアンR1T

R1Tは、米国基準ではコンパクトな部類に入るダブルキャブのピックアップトラックなので、欧州でも十分に通用するはずだ。航続距離は135kWhのバッテリーで480km、180kWhで640kmとされる。

リビアンによると、最大5トン(レンジローバー約2台分)の牽引が可能だという。しかし、作業用トラックというよりもアドベンチャービークルとして位置づけられており、最大積載量は800kg程度と控えめ。

価格は6万7500ドル(約945万円)から。フォードF-150ライトニングと比較すると高く感じるかもしれないが、4基のモーターで最高出力710ps、最大トルク110kg-m以上、0-97km/h加速3秒という圧倒的な性能を考えると、納得できるのではないだろうか。モーターが4基あるということで、四輪トルクベクタリングが可能だ。その結果、戦車のように超信地旋回(その場で向きを変えること)ができる。宴会の隠し芸にぴったりだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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