「NGKスパークプラグ」だけじゃない 100年に1度の変革期に、日本特殊陶業(ニテラ)が進む道
公開 : 2023.05.25 20:48 更新 : 2023.05.25 23:10
機械式! 後付け「急発進抑制装置」登場
とはいえ、プラグにおいては水素エンジンやeフューエルエンジンに向けた製品の開発・製造を進めるほか、自動車整備工場向けコネクテッド予防整備サービス「ドクターリンク」などを日本市場では実用化しており、開催中の「人とくるまのテクノロジー展(パシフィコ横浜)」で展示品を見ることができた。
新しい製品では、ペダル踏み間違い時の急発進抑制装置「アイアクセル」が来場者の関心を引いている。
「後付け」タイプ、つまりアフターパーツでありながら、スロットルペダルを約10kg以上の力で踏み込んだ際に作動し、ペダルを初期の位置に戻すまでアクセルをキャンセル、踏み続けても加速しない装置だ。
これをアクセル信号を感知する電子式ではなく、独自の「機械式」の機構で実現している。多くの急発進抑制装置とは異なり、ブレーキが緩やかに掛かるため、最終的にクルマが停止するのも新しい(開発は英田エンジニアリング)。
次世代に向けた技術としては、リチウムイオンキャパシタやソーラー充電ユニット、固体電解質を用いた水の電気分解装置など、電動化に対応したさまざまな技術開発も進められている。
そもそも日本特殊陶業の「陶業」とは、陶磁器(セラミックス)を製造する工業のことだ。スパークプラグのボディはセラミックス製であることに由来しているのだが、クルマの電動化が進みスパークプラグの需要が減っていったとしても、セラミックスの特性を活かした新たな製品が次世代のクルマには用いられていく。
「Niterra」の名が示すように、日本特殊陶業はこれからも持続可能な社会へ貢献しながら、地球環境全体を輝かせる企業となっていくことは間違いなさそうだ。