1904馬力の電動ハイパーカー リマック・ネヴェーラへ試乗 価格3億8640万円 前編

公開 : 2023.06.04 08:25

強固なシェルが走行性能に多くのメリット

バッテリーEV(BEV)でありながら、ネヴェーラは着座位置が低い。「駆動用バッテリーは、H型に組まれています。乗員空間の前後と、センタートンネル部分です。このレイアウトは、早期の段階で決定した事項の1つでした」

「駆動用バッテリーをフロア部分に敷くと、ボディが高くなりスーパーカーらしさが薄まります。ただし、この形状は設計を複雑にしていて、モジュールは2種類が必要になりました。何かを得ると、何かを失うのです」

リマック・ネヴェーラ(欧州仕様)
リマック・ネヴェーラ(欧州仕様)

容量が120kWhもある駆動用バッテリーは、クラス最大のカーボンファイバー製モノコックに搭載されている。アルミニウム製のサスペンションも、別体のサブフレームを介さず、モノコックへ直接組まれているそうだ。

ボディシェルは、信じられないほどの高剛性を実現したという。「シャシーは非常に強固で、極めてソリッドな土台になっています」。ねじり剛性は、1度当たり70kNだという。前後には、アルミ製のクラッシャブルゾーンを備える。

BMW i3マクラーレン・セナもカーボン製ボディシェルを備えるが、強固で中空な構造がロードノイズを共鳴させ、速度域によっては車内がうるさくなる事がある。ネヴェーラも、スピードが上昇するほどロードノイズが大きくなる様子。

レニッチも認める。「ノイズや振動といった特性は、多少犠牲になっています。しかし、強固なカーボンシェルは走行性能に多くのメリットを与えます。われわれは、そちらを取りました」

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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