高い実用性と走行性能を持つパフォーマンスSUV 10選 物理法則を破った万能なクルマ
公開 : 2023.06.10 18:05
2. ジャガーFペイスSVR
ジャガーがSUVを作り始めたとき、高い確率でハイパフォーマンスモデルも出るだろうと期待された。そして、本当にその日がやってきた。FペイスSVRは速さとスポーティな感覚に溢れていながら、ゆったりとした大人しい性格も持ち合わせており、レスポンスを追求するドイツ車とは異なる路線を示したのだ。
FペイスSVRは、通勤や通学、週末のドライブでクルマを使う人のためのスポーツカーであり、矛盾を感じるほど硬いサスペンションを持つクルマではない。咆哮するように回る5.0L V8スーパーチャージャーは、このサイズのクルマで必要とされるスピードとドラマをすべて実現する。意思の通じ合うハンドリングは刺激的だが、実用的なキャビンとトランク、そして実用的なシャシーチューニングによって実社会にも十分対応できるものとなっている。
2021年のフェイスリフトによって、それまで以上に輝きを増している。ボディは空力特性がわずかに改善され、新しいトルクコンバーター式ATは、すべてのギアでV8のフルトルク(71.3kg-m)を扱えるようになった。サスペンションの調整により、ダイナミックさを損なうことなく、丸みを帯びた使い勝手の良いモデルに仕上がっている。インテリアやインフォテインメント・システムも一新された。間違いなく、非常に好印象なSUVなのだ。
3. アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ
アルファ・ロメオ初のハイパフォーマンスSUVは、紹介するのに多くの言葉を必要としない。フェラーリ458スペチアーレのハンドリングを世に送り出した人物がシャシーにサインしたクルマである。マラネロのV8エンジンから派生したV6ターボを搭載し、メーカー自身もまた、欧州で大きな尊敬を集めるスポーツセダンやクーペを作り出してきたブランドである。
しばらくの空白期間を経て、アルファ・ロメオは調子を取り戻しつつあり、ここ数年はこれらの要素が見事に融合している。ステルヴィオ・クアドリフォリオは、現在販売されているSUVの中で最もシャープで、最も魅力的なパフォーマンスモデルの1つであり、その質量やボディ形状とは裏腹に、上質な縦方向のボディコントロールと機敏なステアリング・レスポンスで魅せてくれる。
2020年に行われた改良により、キャビンの品質に関する問題はいくつか解消されたが、それでも価格に見合う最高級の高速SUVとは言い難いのが現状である。だが、これまでと同様、乗り心地の洗練度や日常の使い勝手に関しては、このクラスでは妥協のない部類に入る。
とはいえ、ドライビングのスリルを何よりも重視する人には、ステルヴィオ・クアドリフォリオがぴったりだろう。
画像 性能も実用性も両立したい欧州パフォーマンスSUV【マカンGTS、FペイスSVR、ステルヴィオ・クアドリフォリオを写真で見る】 全88枚