7. メルセデスAMG GLC 63 S 4マチック+クーペ

GLC 63クーペの最大の敵は、5ドア仕様のGLCだ。両車はドライバーを酔わせるV8エンジンから同じパフォーマンスを引き出しているからだ。

しかし、クーペの滑らかなスタイリングに魅了されたなら、このクルマの魅力はほとんど比類ないものになるはずだ。メルセデスAMGに期待されるラグジュアリーなインテリアをばっちり備え、ポルシェ・マカン・ターボの0-100km/h加速に0.5秒の差をつけている(ただし、ダイナミクスではかなわない)。

7. メルセデスAMG GLC 63 S 4マチック+クーペ
7. メルセデスAMG GLC 63 S 4マチック+クーペ

GLC 63クーペの硬くて騒々しい乗り心地は、静かな走りを好むドライバーにはアピールできないだろう。しかし、ライバルが6気筒エンジンに移行する中、ミドルサイズのパフォーマンスSUVにエモーショナルなV8ガソリンを搭載していることから、一部の人を惹きつけてやまない。

8. BMW X3 Mコンペティション / X4 Mコンペティション

BMWが比較的コンパクトな高性能SUVを作るようになったのは、かなり最近のことだ。X5 MやX6 Mは以前からあったが、これより小型のモデルが登場したのはX3 MとX4 Mが初めて。

それも、妙に真面目で保守的なクルマである。エアサスペンションではなく、スチールコイルサスペンションを採用し、スポーツ風味の高級SUVとしてではなく、M3やM4の上位バージョンとしてダイナミックなアイデンティティを確立しようとしている。X3 MとX4 Mは、硬い乗り心地と鋭く回転する6気筒エンジンを持ち、多くの人が絶望的と考えるスポーツ性を取り戻そうと必死になっているように見える。

8. BMW X3 Mコンペティション / X4 Mコンペティション
8. BMW X3 Mコンペティション / X4 Mコンペティション

この2台は、アクスルやシャシーチューニングが同じで、M5譲りの四輪駆動システムを採用しているため、驚くほど高いグリップレベルと俊敏なコーナリングバランスを実現している。とはいえ、このクラスで最もハンドリングに優れているというわけではないし、幅広いダイナミクスの才能を発揮するわけでもない。

9. マセラティグレカーレ・トロフェオ

マセラティは、かつての誇り高きイタリアンブランドとしての威厳を取り戻しつつあり、若返りの雰囲気が漂っている。スーパーカーのMC20は、その最も明白な自信の現れであるが、まったく新しいグラントゥーリズモもあり、これにはEVも設定される。とはいえ、少なくとも販売面で最も重要な新製品は、ポルシェ・マカンを彷彿とさせるミドルサイズSUV、グレカールである。

最上位のトロフェオ仕様では、ツッフェンハウゼンで大成功を収めたSUVを追いかける素質があることは確かだ。パワートレインには、MC20の3.0L V6ツインターボ「ネットゥーノ」が搭載され、最高出力は530ps、0-100km/h加速はわずか3.8秒とされている。スポーツモードやコルサモードでは、エグゾーストノートも増す。最も過激にチューニングされているわけではないが、楽なペースで走ることができる。

9. マセラティ・グレカーレ・トロフェオ
9. マセラティ・グレカーレ・トロフェオ

サスペンションも強化され、シャープさやコントロール性はマカンほどではないもの、グレカールは実に快活に走ることができる。リアバイアスの四輪駆動システムは、低速コーナーでスロットル調整による細かな姿勢制御も可能だ。

インテリアは、広さでは他車に勝るとも劣らないし、見た目も高級感がある。また、ダンパーを最もソフトな設定にすると、スムーズで洗練された走りを実現し、ユーザーの生活にすんなりと溶け込むことができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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