10. ランドローバーディフェンダー90 V8

V8エンジンを搭載したディフェンダーは、今回設定した予算を大幅に超過しているが、あまりに個性的なので、このリストに入れざるを得なかった。スーパーチャージャー付き5.0L V8エンジンは、他のJLRモデルにも搭載されているユニットで、洗練の極みとは言えないが、その魅力は否定できず、鼓動するバックビートとスーパーチャージャーのうなり声は唯一無二のキャラクターを演出している。

開発したのはランドローバーのSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)部門ではないが、22インチホイール、500ps以上のパワー、そして芳しいエグゾーストノートなど、SVOの特徴も数多く見られる。エンジニアリングチームは、運転するのに楽しいクルマであること、そして大昔のエンジンが支配的であってはならないことを保証することにも熱心であった。開発背景にいる人たちに話を聞くと、彼らはラリーカーに近い雰囲気を作りたかったと言う。ガタガタした路面では特に、驚くほどバランスがよく、軽快に走れるように、と。

10. ランドローバー・ディフェンダー90 V8
10. ランドローバー・ディフェンダー90 V8

走りはスムーズで洗練されていて、不安になるほど速い。FタイプSVRやカイエン・ターボのようなハンドリングはできないが(できる方が不思議だ)、ダイナミクスに甘美な味わいがあり、満足のいく加速ができる。つまり、決して合理的なクルマではないが、実に愛らしいクルマなのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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