手頃で運転しやすいコンパクトクロスオーバー 10選 実用的な日米欧メーカーの主力モデル

公開 : 2023.06.18 18:05

今、世界で最も「アツい」クルマがコンパクトクロスオーバーです。存在感のあるスタイル、運転しやすいサイズ感、実用的な室内空間、そして手頃な価格など、人気の理由は枚挙に暇がありません。英国編集部がベスト10を選出。

今注目を集める欧州クロスオーバー トップ10

欧州Bセグメントのコンパクトクロスオーバーは、自動車市場において最も重要なセグメントの1つであると言っても過言ではない。従来のBセグメント・ハッチバックの販売台数が減少を続ける中、手頃な価格で比較的実用性の高い移動手段を求めるユーザーの間で、クロスオーバー人気はますます高まっている。

その魅力を理解するのは難しいことではない。高い車高によって運転視界を確保し、タフな外観はアクティブなライフスタイルを表現している。また、全長・全幅も従来のコンパクトカーよりもわずかに大きい程度のサイズに収まっており、人や荷物のためのスペースが少しばかり広くなっている。実際、家族で楽しめる多用途性という点では、多くのモデルがハッチバックを凌駕している。

今欧州で注目のコンパクトクロスオーバー10台を紹介。
今欧州で注目のコンパクトクロスオーバー10台を紹介。

そのため、ほとんどの主要メーカーが5ドアのコンパクトクロスオーバーを市場に投入している。パワートレインも、旧来の内燃エンジンから電気駆動まで、幅広く用意されている。

つい最近まで、ハンドルを握ることが楽しくなるようなモデルは少なかった。重心が高く、小型で手頃な価格帯のクルマでは利益率が低いため、感情的な高揚感よりも日常的な使い勝手が重視されるのが普通だった。しかし、この状況は変わりつつあり、複数のコンパクトクロスオーバーが純粋にドライバーを楽しませてくれるようになった。

今回は、Bセグメント・クロスオーバーが激戦を繰り広げる欧州市場の一角、英国で販売されているモデルの中からベスト10を選出して紹介したい。各モデルのスペックや価格は英国仕様に準ずるので参考までに。

1. フォード・プーマ

フォードはコンパクトクロスオーバーの「パーティ」に遅刻したわけではないが、その最初の製品であるエコスポーツは、中途半端な準備体操程度のものに感じられた。新興市場向けにブラジルで設計・製造されたエコスポーツは、シャープなハンドリングの6代目フィエスタと同じプラットフォームを使用しているにもかかわらず、ちょっと安っぽくて、パッケージングに目立った欠点があり、走りもかなりスローだった。

そのためフォードは、欧州で定評あるプーマ(1997~2001年の2ドア・クーペ)という名称を使うことで、コンパクトクロスオーバーに活力を与えようとした。90年代後半のオリジナルのファンからは顰蹙を買ったものの、生まれ変わったプーマは、かつてのクーペに恥じないダイナミクスを打ち出している。コンパクトなクロスオーバー車が、ホットハッチのようにドライバーの琴線に触れることができないのは否定しないが、フォードのマーケティング部門が選んだネーミングを許せるだけの力は秘めている。

1. フォード・プーマ
1. フォード・プーマ

また、フィエスタ(現行の7代目)と足回りを共有しているため、クイックなステアリング、驚くほどの俊敏性、忠実なグリップにより、驚くほど正確かつ冷静にコーナーを切り抜けることができる。さらに、スポーティグレードではダンピングが特に流暢で巧みに調整されており、快適かつ洗練された走りを可能にしている。パワートレインは3種類の1.0Lガソリンターボを用意し、48Vマイルドハイブリッド技術により、最も強力なもので最高出力127psを発生する。

最も興味を惹かれるのは、ホットハッチのエスプリを吹き込んだフラッグシップモデル、プーマSTだ。最高出力200psの1.5Lターボと6速MTをフィエスタから取り入れたこのモデルは、硬い乗り心地に耐えられるなら、運転するのが本当に楽しくなるはずである。AT車は、見た目は同じだが、低出力の1.0Lエンジンを使用しているので注意が必要だ。

その他の点では、ファミリーカーに求められる条件を正しくクリアしており、他車ほどの高級感はないものの、十分な広さとスマートなデザインのインテリアを備えている。また、装備も充実しており、トランクフロアの下にある斬新なメガボックスは、濡れた衣服や泥だらけのブーツを収納できる、大きくて掃除がしやすいコンパートメントになっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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