メルセデス・ベンツAクラス 詳細データテスト 電動化の恩恵は大 速さも燃費も向上 静粛性は要改善
公開 : 2023.06.03 20:25 更新 : 2023.06.09 13:27
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
メルセデスは、予想通りの軽いタッチで、装いを手直ししてきた。全車標準装備となったLEDヘッドライトはルックスを見直し、売れ筋のAMGラインは新デザインのホイールと、スリーポインテッドスターがモチーフのメッシュ形状を取り入れたグリル専用形状のリアディフューザーを採用した。
おそらく、もっとも外観が変わった仕様はメルセデスAMG A35 4マチックだろう。より上位の機種であるA45 Sの、アグレッシブなパフォーマンス志向のスタイリング要素を引き継いでいる。
エンジンに特異なところはない。だが、ボディカラーにはフレッシュな新色が加わった。ローズゴールドと、テスト車に塗られたサンイエローだ。
英国向けのパワートレインは、ラインナップが縮小した。A35とA45 Sを除き、4マチックモデルは設定がなくなり、ディーゼルは150psのA200dのみとなった。
それに伴い、サスペンションの設定もシンプルになった。AMGモデルと、セダンのみとなったPHEVのA250eを除けば、全車同じ仕様で、フロントはヘルパースプリングとツインチューブダンパーを備えたストラット、リアはトーションビームで、ロワード・コンフォートタイプのスプリングを装備している。
ガソリンエンジン車は、A180とA200の2タイプ。いずれも1.3LターボのM282型を搭載。これは数年前、ルノーと共同開発したユニットで、改良型には48Vマイルドハイブリッドが組み合わされた。新たなベルト駆動スターター・ジェネレーターモーターは、発進時に13psのアシストを行い、またエンジンの停止と再始動をスムースにし、より効率的なエネルギー回生と、より長いエンジンを切ってのセイリングを可能にする。WLTP燃費は、改良前に対して0.6km/Lの改善だが、リアルなドライビングでその価値を見出せるかは、このあと確かめてみよう。
トランスミッションはMTが選択肢から消え、全車DCTとなった。エンジンにより、7速と8速を使い分けている。
PHEVのA250eはバッテリーが拡大され、モーター出力が上がり、充電が早くなった。セダンモデルのみの設定となったが、ハッチバックより空力に優れるため、EV走行距離は82kmをマークする。