驚異的な速さを誇るハードコア・スポーツカー 10選 究極のドライビング・エクスペリエンス

公開 : 2023.06.11 18:05

4. ポルシェ911 GT3 RS

992世代の911 GT3がスワンネックのようなリアウィングを見せたとき、編集部はさらにハードコアなGT3 RSを作る余地があるのだろうかと考えた。しかし、ヴァイザッハのポルシェに任せておけば、そのチャレンジ精神で果敢にやり遂げてしまう。

GT3 RSのポイントは、パワーではなく(GT3より約15ps高いだけ)、ダウンフォースである。新型GT3 RSでは空力設計が一段アップし、威嚇するような高さと幅のエアロフォイルを備えている。さらに、油圧作動式のアクティブ・ドラッグリダクション・ベーン、ノーズ下のアクティブ・フラップを備え、285km/hで最大860kgのダウンフォースを発生させる。これは、先代の911 GT3 RSの2倍以上、マクラーレン・セナの同速度域での数値を上回り、競技車両の911 GT3カップよりもはるかに大きなものだ。

4. ポルシェ911 GT3 RS
4. ポルシェ911 GT3 RS

また、エアロだけでなく、ターボの超ワイドボディ、マルチ・アジャスタブル・アダプティブダンパー、アクティブ・ロック・ディファレンシャル、トラクション&スタビリティコントロールシステムも搭載されている。

英国編集部はまだサーキットのドライ路面では試乗できていないが、ウェット路面でも、先代のどのモデルより本格的なサーキットマシンであると感じられた。その一方で、もっとスマートで、もっと適応性が高いのもまた事実である。

5. マクラーレン600LT

600LTは、素晴らしい570Sをベースにしたモデルで、マクラーレン・オートモーティブが発売した3番目の「ロングテール」である。最高出力は30psアップの600psとなり、スプリングが大幅に硬くなったほか、ダンパーは再調整され、アグレッシブなボディワークにより走行時のダウンフォースがさらに強化されている。

また、サーキットで鍛えられた結果、余分なものも取り除かれている。最も軽い仕様(エアコンなし、ノーズリフトなし、ステレオなし)では、乾燥状態で1247kg(620Rよりも軽い)になる。

5. マクラーレン600LT
5. マクラーレン600LT

その結果、マクラーレンが得意とするスイートかつ正確な操縦性に加えて、これまで以上に速く、グリップ力があり、音も良いという、まさに特別なパッケージが完成したのだ。

マクラーレンは最高の仕事をしてくれた。今度は、新しいV6ハイブリッドのアルトゥーラからどんなヒーローを紡ぎ出すのか、待ちきれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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