驚異的な速さを誇るハードコア・スポーツカー 10選 究極のドライビング・エクスペリエンス
公開 : 2023.06.11 18:05
6. フェラーリ488ピスタ
まずは数値から紹介しよう。最高出力720ps、最大トルク78kg-m、最高重量1359kg、0-100km/h加速2.85秒、価格は25万2765ポンド(約4360万円)だ。要するに、488ピスタは実に本格的なマシンなのだ。そして、その効果は絶大だ。
2018年の英国編集部のテストでは、アングレシー・コースト・サーキットを最速タイムで周回し、マクラーレン600LTより1.7秒速い1分11.4秒を記録した。
488ピスタは、即応性を最大の特徴としている。ステアリングを切ると、肉食獣に狙われたウサギのようにフロントが俊敏に反応する。ステアリングコラムに取り付けられたレバーを引くと、7速DCTが瞬く間にギアを入れ替える。勇気を出してスロットルを全開にすれば、驚くほどの速さで地平線に追いつくことができるだろう。
その絶大なポテンシャルから、サーキットでは手がかかると思われがちだが、実際には大変バランスが良く、制御しやすく、そして最も美しいクルマの1つである。
しかし、マクラーレン600LTのように、公道でその能力を十分に発揮することができないため、今回は6位に甘んじている。だが、ライバル車との差は信じられないほど小さい。
7. メルセデスAMG GTブラックシリーズ
メルセデスAMGの歴史上、どの市販車よりも多くのレース技術を搭載したAMG GT Rは、シュトゥットガルト近郊のライバルであるポルシェ911 GT3に、アファルターバッハが一矢報いたモデルである。このGT Rの存在は、いつの日か世界的に有名なライバルの影から抜け出し、同等の地位と評価を得られるスポーツカーメーカーになるというAMGの決意を物語るものだ。
AMG GTブラックシリーズは、そんなGT Rをさらに進化させたように見えるが、実際にはまったくの別物である。6代目となるブラックシリーズは、GT Rよりも35kg軽く、AMGのGT3マシンと共通のエアロ技術をふんだんに盛り込んでおり(実際、レース用のエアロパッケージを開発した人物がこのモデルを手がけている)、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJを抑えてニュルブルクリンクのラップレコードを更新した。
AMGはツインターボV8を改良し、従来のクロスプレーン型からフラットプレーン型に変更し、出力を730psに高めた。サスペンションやインテリアもレース仕様になっている。
英国編集部のマット・プライヤー記者は、「狂ったようにブラックシリーズを運転して、そのプロセスに巻き込まれ、絆を感じ、そして最後にはフル装備のGT3レースカーよりも5秒ほど遅いラップタイムを記録することができるだろう」と評価している。
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