驚異的な速さを誇るハードコア・スポーツカー 10選 究極のドライビング・エクスペリエンス

公開 : 2023.06.11 18:05

8. ランボルギーニアヴェンタドールSVJ

読書家のスーパーカー愛好家に交じって「イオタ」という言葉を口にすると、必ずと言っていいほど、気弱な反応が返ってくる。ランボルギーニのテストドライバーであるボブ・ウォレス氏が、伝説的なミウラのパフォーマンスレベルを向上させ、FIAスポーツカーレースに参加できるようにするべく実行したプロジェクトだ。しかし、プロトタイプが1台しか製作されず、生産される前に事故で燃え尽きてしまった。

アヴェンタドールSVJは、ウォレス氏のミウラ以来、ランボルギーニとしては2台目となる「イオタ(Jota)」の名を冠したモデルである。また、ミウラ、カウンタックムルシエラゴディアブロなど、12気筒スーパーカーの系譜へのオマージュでもある。この系譜は、ハイブリッド化した新型レヴエルトによって多少変化しながらも未来に受け継がれていく。

8. ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ
8. ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ

大きくて、重くて、燃えるような速さを持つアヴェンタドールSVJは、その性能を最大限に発揮するために肉体的な努力と身体的な妥協、そしてコミットメントを必要とする。まず、狭苦しいキャビンがドライバーの熱意を試すだろう。その後、激しいギアチェンジ、野蛮なスピード、グリップレベルの限界を見つけるために必要な集中力が、克服すべき課題となる。

しかし、すべてを乗り越えれば、比類のない鮮烈なドライビング・エクスペリエンスを提供してくれる。速く走ることが容易になった現代において、ラップタイムを縮めていくことは、他では得られない貴重な体験だ。

ハードコアなスリルを全身で感じたり、古き良き時代のテイストを味わったりしたいのなら、アヴェンタドールSVJがおすすめだ。

9. BMW M4 CSL

BMWのM部門は、伝説的な「CSL」のバッジを倉庫から引っ張り出し、最新のM4に貼り付けた。E46世代のM3 CSLがどれほどきらびやかだったかを考えると(今や価値が上がりすぎて、走り出すには勇気がいる)、BMWの決定はファンに期待を抱かせるものだっただろう。

1625kgの車重と直6ターボを持つ新型M4 CSLは、その後継車として自然な存在とは言えない。にもかかわらず、ドラマチックなほどに速く、個性的で、時には激しく、時にはびっくりするほど温厚で、運転するのがとにかく楽しい。

9. BMW M4 CSL
9. BMW M4 CSL

しかし、何よりも驚かされるのは、オンロードでの洗練された操作性だ。M4 GTSのようなサーキット向けのスペシャリティを目指すのではない。BMWは、「CSL」というブランドには独自の味付けが必要だと明確に理解している。非常に複雑な味付けだが、それはまた、ダイレクトで親しみやすく、広く満足させるものでもある。

10. 日産GT-Rニスモ

R35世代のデビューから約13年。日産はマクラーレンなどの高性能車ブランドと同じカテゴリーで戦いながら、長い歳月をかけてGT-Rを開発してきた。2007年に発売された現行GT-Rは、もうすっかり年をとった。現在も生産されているが、2022年以降、欧州では販売停止になっている。

GT-Rのサーキット仕様であるニスモの最終型は、3.7L V6エンジンに軽量高回転のターボチャージャーを搭載し、巨大なセラミックブレーキ、フェンダーダクトなどのエアロパーツ、そして大量のカーボンファイバーを使用している。最高出力は600psのままだが、価格は跳ね上がっている。

10. 日産GT-Rニスモ
10. 日産GT-Rニスモ

GT-Rの課題は変わっておらず、基本的に重く、今回紹介した他車と比べても重心が高いということだ。そのため、GT-Rは、繊細さや満足感ではなく、圧倒的な速さと個性でこのリストに名を連ねることになった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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