歴代最強 レンジローバー・スポーツSV、欧州発表 マイルドハイブリッドの高性能SUV 初年度分は完売
公開 : 2023.05.31 18:05
レンジローバー・スポーツの高性能グレード「SV」が発表されました。4.4L V8ツインターボに48Vマイルドハイブリッド技術を搭載し、歴代最強・最速を謳います。初年度生産分はすでに完売しているとのこと。
4.4L V8ツインターボに48Vマイルドハイブリッド
JLRは5月31日、レンジローバー・スポーツの高性能グレード「SV」を欧州で発表した。従来のSVRの後継となるモデルで、名称から「R」が外れた。最高出力635psを発生し、モデル史上最も強力な仕様とされている。
新型レンジローバー・スポーツSVは、4.4L V8ツインターボに48Vマイルドハイブリッド技術を組み合わせ、従来のレンジローバー・スポーツSVRの550ps(5.0L V8スーパーチャージャー)を大きく上回る出力を実現している。
最大トルクは81.5kg-m(ローンチコントロール条件下で一時的に使用可能)で、8速ATを介して四輪を駆動する。0-100km/h加速3.6秒、最高速度290km/hに達する。最大牽引力は標準と同じ3500kg。
フロントとリアのトレッド幅を広げ、キャンバーを拡大し、フロントバンパーとグリル、サイドスカートに専用のデザインを処理を施している。リアには、従来のSVRの角型とは異なる4本出しの円形マフラーを装備するなど、細かなデザイン変更が行われている。
新しいフロントエンドのデザインは、V8エンジンとブレーキの冷却性能を高めるために必要なものとされる。また、ランドローバーとしては初めて、8ピストンキャリパー付きカーボンセラミックブレーキと、23インチのカーボンファイバーホイールをオプションで設定している。
JLRのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)部門によると、このカーボンセラミックブレーキ(34kg軽量化)とカーボンファイバーホイール(36kg軽量化)を装着することで、通常のレンジローバー・スポーツよりもバネ下重量を70kg削減できるという。標準装備の鋳鉄製ブレーキと鍛造アロイホイール(同じく23インチ)を装着した場合の車両重量は2560kg。
高度なシャシー技術満載のスーパーSUV
カーボンファイバー製またはカーボン調のディテールが内外装に施されている。フロントスプリッターは、アプローチ・アングルを向上させるために取り外しが可能で、オフロード向けのテレイン・レスポンス・システムも搭載される。
エアサスペンションを使用しているが、SVでは油圧連動式が初めて採用された。マクラーレンのような油圧式ダンパーとは異なり、車体の斜め方向だけでなく、左右と前後を直結して、ピッチとロールの動きを抑制することができる。その結果、機械的なアンチロールバーは搭載されていない。
このシステムは、2300Nmをロール制御に、4000Nmをピッチ制御に投入することができる。JLRによれば、横方向に1.1gの荷重をかけることができるが、そのときの傾きは3.5~4度に過ぎない。SVO部門ディレクターのジャマール・ハメディ氏は、これを「シャシー・マジック」と表現する。
なお、この数値はオールシーズン・タイヤを履いたときのものである。従来のSVRにはサマータイヤが標準装備されていたが、SVではフロントに285/40 R23、リアに305/35 R23のオールシーズンタイヤ、ミシュラン・パイロットスポーツ4が装着される。
全高は標準より10mm低いが、高速走行に特化したドライブモードが用意されており、サスペンションをさらに15mm低くすることができる。また、電子制御式リア・ディファレンシャル(スポーティモードでは、実質的に後輪駆動となる)、アクティブ・リアステアも標準装備される。ステアリングレシオは17.5:1から13.6:1にクイック化された。