歴代最強 レンジローバー・スポーツSV、欧州発表 マイルドハイブリッドの高性能SUV 初年度分は完売

公開 : 2023.05.31 18:05

「振動」で音楽を聞く 最新スピーカー技術も

インテリアでは、ヘッドレスト一体型の新しいシートが採用され、カバーにはレザーまたはテクニカルファブリックを指定できる。

ステアリングホイールは、より小さく、より厚いリムを持ち、ハンドポジションが明確に成形されている。また、「SV」ボタンが装備され、SVモードやパーソナライズされたドライブモードを起動できる。

レンジローバー・スポーツSV
レンジローバー・スポーツSV    JLR

リアシートの左右2席もヘッドレスト一体型となっているが、それ以外のインテリア構造はほとんど変更されていない。

フロントシートの背もたれには、オプションで触覚トランスデューサー(スピーカーだが、振動を出力する装置)を取り付けることができる。SubPackというカナダの企業と共同開発されたこの技術は、音楽を振動で体に伝えるものだ。

これにより、聴覚を害することなく、大音量で音楽を聴いたときの感覚を長時間体験することができる。また、聴覚障害者にも音楽を届けることができるという。なお、JLRのエンジニアは、クルマにおいて「振動」は良くないものなので、トランスデューサーは「振動」ではなく「エネルギーを放出する」と表現している。

サブウーファーではクルマを揺らすだけなのに対し、トランスデューサーは乗員の背骨や内蔵に向けて、よりはっきりとした振動を伝える。オプションで、その振幅を大きくしたり、オフにしたりすることも可能だ。

JLRによると、初年度生産分はすでに完売しているという。初期限定の「エディション1」は、英国で550台のみとされ、全世界で何台になるかについては明言を避けた。エディション1の価格は約16万9000ポンド(約2920万円)から、カーボンファイバーのオプションを指定した場合は19万ポンド(約3280万円)となる。納車は今年末までに開始される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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