トラックもリデュース・リユース・リサイクル ルナズの電動ゴミ収集車へ同乗 無音が非現実的 前編

公開 : 2023.06.11 08:25

電動パワートレイン一式を自社で開発

ルナズは、駆動用モーターやバッテリーなど、電動パワートレインの一式を自社で開発している。バッテリーパックは、自社工場で製造もしている。クライアントの車両に合わせて、必要なパワートレインを準備できる技術を有している。

同社の特長といえるのが、独自のコンセプトで車体のレストアも手掛けること。単純に古いエンジンやガソリンタンクを降ろし、駆動用モーターとバッテリーへ置き換えるだけではない。

ルナズ社のワークショップの様子
ルナズ社のワークショップの様子

理想とするクラシックカーを頭に思い浮かべるクライアントに対し、担当者は納屋に長期間放置されてきたような傷んだ個体をあえて捜索し、ベースに選んでいるそうだ。貴重な例を、少しでも多く生き残らせるために。

手を加える車両が決まると入念に確認・評価し、問題を解決。ボディシェルまで丁寧に分解され、必要な部分が強化され、電動化を許容する土台が作られる。電動パワートレイン自体も、モデル毎に個別の特性が与えられる。

インテリアは、クライアントと意見を交わしながら担当部門が仕様を調整。オリジナルへ可能な限り忠実でありつつ、持続可能性にも配慮された素材が調達される。タッチモニターや葉巻ケースまで、多様な要望にも応えてくれるそうだ。

ただし、内燃エンジンへ戻すことはできない。特に指示がない限り、古いエンジンやトランスミッションなどは粉砕され、リサイクルへ回される。作業終了までに約2年が必要だというが、美しく仕上げられた、ゼロエミッションのクラシックカーが完成する。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    Move Electric UK

    Move Electric UK

    英国の純EV専門メディア
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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