走りも使い勝手も優秀なハイブリッド・ハッチバック 10選 日常に馴染んでしまう電動車
公開 : 2023.06.24 18:05 更新 : 2024.08.16 16:08
電動化が進む欧州で、EVは買えないけどお財布と環境には配慮したい、そんな多くの人々に受け入れられるハイブリッドのハッチバックを紹介します。実用性、走行性能、デザインに秀でたトップ10をピックアップしました。
もくじ
ー実用的で走りも良い欧州ハッチバック
ー1. フォルクスワーゲン・ゴルフeハイブリッド
ー2. トヨタ・カローラ
ー3. ホンダ・シビック
ー4. プジョー308
ー5. キア・ニロPHEV
ー6. BMW 225e アクティブツアラー
ー7. オペル/ヴォグゾール・アストラ・プラグインハイブリッド
ー8. トヨタC-HR
ー9. キア・クロスシードPHEV
ー10. クプラ・フォーメンター
実用的で走りも良い欧州ハッチバック
欧州では2035年以降もエンジン車の新車販売が認められる方針となっているが、それでもクルマの電動化はどんどん進んでいる。完全なEV(電気自動車)にまだ抵抗がある人にはハイブリッド車という選択肢があり、ほとんどのメーカーから複数のモデルが発売されている。
このハイブリッド車は、いずれも電気モーターと駆動用バッテリーを備え、短距離ならエンジンの助けを借りずに走行することもできる。しかし、パワートレインをどのように配置し、使用するかはメーカーやモデルごとに大きく異なっており、低速では電気モーターに頼るものもあれば、ガソリンエンジンを純粋に発電機として使うものもある。
用途やニーズによって、それぞれに利点と限界がある。通常、「ストロングハイブリッド」や「フルハイブリッド」と呼ばれるモデルは、従来のエンジン車と同じような感覚で運転でき、充電用の設備も要らないが、電気だけでの走行能力は限定的だ。一方、「PHEV(プラグインハイブリッド)」はバッテリーが大きいので重く、価格も高い。性能を最大限活かすには充電する必要があるが、電気だけで60km以上走行できるものもある。
また、今回は取り上げないが、「マイルドハイブリッド」と呼ばれるものも急速に普及しつつある。基本的には、強力なスターター/ジェネレーターを搭載し、加速力を高めるアシスト機能を備えるが、電気だけでクルマを走らせることは難しい。従来のエンジン車に最も近いと言える。
本稿では、電動化まっしぐらの欧州で販売されているハイブリッドのハッチバックから、特に優れていると思われるトップ10を紹介したい。なお、スペックや価格などは英国仕様に準ずる。
1. フォルクスワーゲン・ゴルフeハイブリッド
つい最近までは、PHEVのスコダ・オクタヴィアiVが最有力候補だったが、あまりの人気の高さとサプライチェーンの問題から、スコダは同車を一時的に販売停止にしている。その結果、フォルクスワーゲン・ゴルフeハイブリッドがトップに躍り出ることになった。この2台は、同じMQBプラットフォームと、汎用性の高い1.4Lガソリンエンジンベースのパワートレインを採用しており、その中身はほとんど同じだからだ。
このパワートレインが登場してからしばらく経つが、最高出力は204psと変わらないものの、あちこちに手を加えた結果、EV走行距離は69kmに向上している。現実世界でこの数値を達成するのは難しいかもしれないが、英国ではEV走行距離に応じて税金面での優遇が大きくなるため、確かなメリットはある。さらに素晴らしいのは、ハイブリッド・システムがうまく調整されていることだ。DCTの助けもあり、エンジンとモーターの移行が苦にならない。
その他は、第8世代のゴルフらしく、滑らかなステアリング、安定したハンドリング、適度にしなやかな乗り心地で、走りが良い。ホットハッチと呼ぶにふさわしい切れ味はないものの(GTEも含め)、どんなタスクでも難なくこなす能力、そしてどんな環境にも溶け込むカメレオンのような存在感は魅力的で、買い物にも子供の送迎にも使いやすい。4人家族でも十分な広さがあり、収納スペースもたくさんある。
不満な点はインテリアだ。高級感があるが、コスト削減のため、先代モデルほどの上質さはないし、タッチスクリーンのインフォテインメント・システムも使いにくくてイライラする。また、電動パワートレインを搭載したことで、トランク容量は273Lに減少している。しかし、それ以外の点では、欧州ハイブリッド・ハッチバックのトップモデルと言えるだろう。
画像 欧州で最も「現実的」な選択肢?【ゴルフGTE、カローラ、シビックなどハイブリッド・ハッチバックを写真で見る】 全82枚