走りも使い勝手も優秀なハイブリッド・ハッチバック 10選 日常に馴染んでしまう電動車

公開 : 2023.06.24 18:05  更新 : 2024.08.16 16:08

6. BMW 225e アクティブツアラー

ミニバンは、欧州市場においてはすっかり少数派になっているが、この事態をBMWに知らせる人はいないようだ。実際、BMWは昨年、新型2シリーズ・アクティブツアラーを発表したばかりで、これはコンパクトなハッチバックボディにミニバンの実用性を詰め込むことを目指したクルマである。SUVにインスパイアされたクロスオーバーが溢れる中、この徹底的にセンシティブなマシンは歓迎すべきもの。特に、擬似オフロード車の格好よりも多用途性を重視する人にとっては、ぜひ注目して欲しい存在だ。

さらに重要なのは、第5世代となるBMWの電動パワートレイン、eドライブが搭載されていることである。効率的な109psの電気モーター(リアアクスルに搭載されるので四輪駆動)と14.2kWhバッテリーを組み合わせ、90kmのEV走行距離を実現している。1.5L 3気筒ガソリンと組み合わされ、合計出力246ps(325psの230eもある)を発揮し、好ましい速度で走ることができる。刺激のある走りとは言えないが、適切なグリップとボディコントロールで正確なハンドリングを見せてくれる。乗り心地はスムーズかつ静かで、これはファミリーカーとしては非常に重要なことである。

6. BMW 225e アクティブツアラー
6. BMW 225e アクティブツアラー

ミニバンとして考えると、パッケージングは他車に見劣りするが、従来のハッチバックと比較すると室内が広く、収納スペースも満載。そしてもちろん、大衆車ブランドとは一線を画す、タイトな構造とハイグレードな内装材が、高級感と洗練性を醸し出している。また、BMWの最新インフォテインメント・システムは、他車よりも見栄えがよく、使いやすいものとなっている。

7. オペル/ヴォグゾール・アストラ・プラグインハイブリッド

プジョー308を紹介しておきながら、オペル/ヴォグゾール・アストラに触れないのは失礼なことだ。本質的には同じクルマなのだから。ヴォグゾール(オペルの英国版)は、巨大なステランティス・グループの形成後、シトロエンプジョーとコンポーネントの共有を余儀なくされ、長年にわたり親しまれてきたアストラはEMP2 V3プラットフォームで徹底的に作り直されている。

PHEVでは、12.4kWhのリチウムイオンバッテリーと109psの電気モーターを搭載し、1.6Lガソリンターボと組み合わせて、合計出力180psと69kmのEV走行距離を実現した。同じパワートレインを使用し、225psにパワーアップしたアストラGSeという仕様もあるが、スポーティなビジュアルと宣伝広告にもかかわらず、走りの感動や魅力は薄く、価格はかなり高くなっている。

7. オペル/ヴォグゾール・アストラ・プラグインハイブリッド
7. オペル/ヴォグゾール・アストラ・プラグインハイブリッド

「Vizor」と呼ばれるヴォグゾールのデザイン言語により、外観はシャープで、インテリアもスマートにキマっている。プジョー308と同様、十分な広さがあるが、後部座席とトランクの容量ではベストとは言い難い。走りにおいても、プジョーと比較して軽快なハンドリングと柔らかい乗り心地に欠けるが、それでも落ち着きのある有能な選択肢であることは間違いない。とはいえ、プジョーとヴォグゾールの間には価格面でほとんど差がないので、スタイリングとブランドに愛着がなければ、兄弟車を選んでしまうだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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