走りも使い勝手も優秀なハイブリッド・ハッチバック 10選 日常に馴染んでしまう電動車

公開 : 2023.06.24 18:05  更新 : 2024.08.16 16:08

8. トヨタC-HR

四半世紀もの間、ハイブリッド・パワートレインを作り続けてきたという事実を考えてみれば、トヨタの専門知識の深さは容易に理解できるだろう。20世紀末に登場した初代プリウスは、はじめこそ奇異の目で見られたが、実はトレンドセッターだったのだ。

そして、トレンドの変化により、従来のハッチバックより背の高いクルマを好む顧客層に向けて作られたC-HRは、2016年末に登場するやいなや、欧州市場に新風を吹き込んだ。7年経った今でも、その存在感は際立っている。

8. トヨタC-HR
8. トヨタC-HR

2019年に改良を受け、サスペンションの調整と、カローラRAV4と同じ2.0Lハイブリッドが導入された(欧州仕様)。その甲斐あって、性能は健全かつ期待以上に向上し、ハンドリングも以前より少し魅力的になっている。

もちろん、使い勝手が悪くなったわけではない。適度に洗練され、乗り心地もよく、街中での実用性は十分。ルーフラインが傾斜しているため、後席のヘッドスペースが少し狭くなるが、少なくともその個性的なルックスで他車とかぶることはないだろう。

9. キア・クロスシードPHEV

キアは以前、ハッチバックのシードを基にしたステーションワゴン、シード・スポーツワゴンでPHEVを導入していた。今は廃止され、代わりに少し背の高いクロスシードに設定されている。最近になって改良を受け(といっても目をこすって見ないと分からない程度のフェイスリフト)、驚くほど魅力的なモデルとなっている。

シートヒーターやレザーシート、ナビ、包括的なアクティブ・セーフティ・システムなど、標準装備のレベルは非常に高い。乗り心地やハンドリングは、ベースとなったシードよりも優れており、同じような安定感を持ちながら、より快適に道路を流れていく。

9. キア・クロスシードPHEV
9. キア・クロスシードPHEV

とはいえ、PHEVのパワートレインはそれほど印象的なものではない。エンジンとモーターの切り替えは十分滑らかだが、特にモーターは低速域でのパンチがなく、自然吸気のガソリンエンジンは負荷をかけると力んでいるように感じられる。

50km弱のEV航続距離も特筆すべきものではなく、多くのライバルの後塵を拝している。電動パワートレインの少し残念な性能と相まって、確かに有能ではあるが、これ以上の上位に入れることができない。

10. クプラフォーメンター

クプラ・フォーメンターは、ハッチバックというよりクロスオーバーだが、低いドライビングポジション、新鮮なルックス、驚くほど好印象なハンドリングから、このカテゴリーに入れても良いと編集部は考えている。

フォルクスワーゲン・グループの兄弟車(ゴルフ、A3、レオンなど)と同様、最高出力は204psと245psの2段階が用意されているが、前述のゴルフとは異なり、上位の高出力モデルを選ぶ価値がある。40.8kg-mのフルトルクを前輪にかけると猛烈な加速を見せ、やや騒々しくなることもあるが、それはそれで心地よいものだ。乗り心地はとても快適で、英国編集部による長期テストの際には、カメラマンの大量の荷物を運ぶのに何の問題もなかった。

10. クプラ・フォーメンター
10. クプラ・フォーメンター

既存のアテカやレオンがまだ親ブランドのセアトらしさを残しているのに対し、フォーメンターはようやく独自ブランドとしてのクプラらしさを表現できるようになった。この個性的な外観を持つマシンが、現時点でクプラの最高傑作であることは間違いないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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