ロータス・エミーラにも継がれる「ロータスイズム」 V6ファーストエディションの走りとは
公開 : 2023.06.03 14:25
ロータス・エミーラを日本でテスト。桂伸一さんが、3.5L V6スーパーチャージャー・モデルの走りを解説します。
まずはデザインをチェック
新生エミーラのルックスは、ロータスファンはもとより、目撃したヒトのハートを鷲掴みするに違いない。事実、問い合わせは日毎に増加中。これほど世界が絶賛するロータスが過去にあっただろうか。
従来のモデルとは似て非なるロータス!? いやフロントマスクを注意深く眺めていると、ラジエターグリルとヘッドライトの関係はロータスの血縁ではある。リアビューもつまみ上げたように上を向いた造形で、エリーゼ以降の流れをより洗練させたカタチ。
ノーズ先端から、フロントウインド〜ルーフ〜エンジンフードたるリアウインドウ(トランクリッドを兼ねる)~スポイラーまで、一筆でサッと描ける流麗なフォルムは、イタリアンスーパースポーツのように美しい。
デザインをまとめたのはロータスを数多く手掛けてきたラッセル・カー。
サイズは全長4413×全幅1895×全高1226mm、2575mmのホイールベースも含めてほぼエヴォーラ級だが、わずかに大きいのは衝突安全性を確保するための見地と、もちろんデザインのため。
どこから眺めても隙のないグラマラスな面と曲線のボディはFRP製で、繊細な美しさもある。
車重増も、そこはロータス
ロータス流にアルミ押し出し材を接着剤で組み立てたバスタブシャシーに、フロントはサスペンション、リアはエンジン含む駆動系をサブフレームに載せて組み合せる構成は従来と変わらない。
“ロータス=軽量コンパクト”なイメージだが、世界基準の先進安全装備を充実させると、試乗車(英国仕様)では3.5L V6+6MTが1493kg。AT仕様は1500kgの車重になる。
とは言え、走ればロータスらしいハンドリングと動力性能・安定性を持ち合わせていた。
EV化に邁進するロータスが送り出した最後のICE=内燃機ガソリンV6!? と言われてはいるが、そこは時代の流れ。ガソリンはダメでも代替燃料で内燃機は生き延びる可能性はある、と筆者は思っている。
フラッシュサーフェスのドアハンドルは先端を押すと後端が飛び出し、それを握ってドアのラッチを外すプレミアムカー的演出。バスタブの淵をまたぎながらつま先からバケットシートに滑り込む乗降性に造作はない。
反力はしっかりあるが、軽いクラッチを踏み込み(2ペダルに慣れるとこの作業すら忘れている)赤いカバーを跳ね上げてスターターボタンを押すとV6スーパーチャージャーは瞬時に目覚める。