ダイハツ・コペン・ローブ
公開 : 2014.08.03 18:03 更新 : 2017.05.29 18:45
これまでのファニーな丸顔から一転、切れ長のヘッドライトを採用したダイハツの新型コペン。スタイリングは変わったが、軽自動車の枠に収まるFFのオープン2シーターモデルという基本プロフィールは不変だ。2012年の製造中止から2年の時間を要したが、その間も開発は進み、昨年の東京モーターショーでコンセプトカーが登場。6月19日より発売を開始している……という基本情報はともかく、この2代目コペンは、さほど荷物も詰めない、言ってしまえばお遊び用のスポーツカーながら、その実かなり力の入った本格派のモデルである。
オープンスポーツカーをお遊び用の……と断言するには語弊があろうが、運転することを目的とするのがスポーツカー。単なる移動の道具では無く、移動中はもちろんのこと、運転という操作そのものが楽しくなければスポーツカーではないというのは、ここで改めて言うまでのも無い事実だ。そういった条件からコペンを紹介するなら、このクルマはまさにスポーツカーと呼べる資質を持っている。
シャシーはフレーム構造とモノコック構造の利点を合わせた特徴的なもので、ダイハツではこれを“Dフレーム”と呼ぶ。曲げ剛性は先代比で3倍、ねじれ剛性は1.5倍を確保。これはコペンのもうひとつの特徴ともいえる、ボディ外板を着せ替え可能にした“ドレスフォーメーション”を実現するためだ。
ボディ外板の着せ替えとは、文字通り、自由にボディパネルが替えられるということだ。ボディパネルは13個の樹脂パーツで構成され、納車後でも自由に差し替えが可能である。開発を行った製品企画部の藤井修チーフエンジニアは、「ボディカラーも含め、ドアとルーフ以外のパーツは例えばサードパーティが開発したまったく違ったデザインの外板に後から交換することも出来ます。簡単に言ってしまえば、スマホのカバーを交換する感覚。こうした遊び心をアピールするのもコペンの特徴です」という。
ボディ外板は応力を持たず、強度は“Dフレーム”だけで支える。そのためには、いかに強靱なシャシーにしなくてはならなかったのか、ターゲットパフォーマンスがこれまでの軽自動車の比ではないことは、想像に易しい。しかもオープンカーである。並大抵の努力やアイデアでは実現できなかったはずだ。もちろん、シャシーはミラ・イースがベースとはいえ、コペン専用開発である。