ダイハツ・コペン・ローブ
公開 : 2014.08.03 18:03 更新 : 2017.05.29 18:45
特徴的なエクステリアに比べ、インテリアは整然とまとまってはいるが、いささかドラマ性が薄い。ただし、オーディオクラスターや座席前のインパネも外板同様に変更できるので遊び心を持って自分好みにカスタマイズすることも可能だ。室内は、軽自動車枠から想像できる広さだが、1280mmという低い全高を考えると、頭上部分の余裕は十分確保されていると紹介できる。
驚くほどシャープなステアリングフィールは、初代コペンとは比較にならないほどの出来だ。ノーズがスッとインを向くその動きは、まるでFRのオープンスポーツカーをドライブしているような錯覚をもたらすほどだ。ボディのサイズがサイズなだけに、凝縮された一体感のある走りを演出する。
とはいえ、段差や路面の繫ぎ目では、それなりの揺れは感じる。そこはさすがにガヤルドとガヤルド・スパイダーのようにどちらがオープンでどちらがクーペか分からないほど……ではない。ただ、その揺れが瞬時に収まるのはスゴイ。それは、予想範囲、いや期待の範囲で収まるのだ。ドライバーの感覚に違和感をもたらさないこうしたボディの動きは、絶妙とさえ言いたい。人間は、自身の感覚に見あわない不自然な動きや揺れを歓迎せず、それを不快と判断するのだが、コペンにはそれがない。
ムーブ譲りとなる排気量660ccのDOHCターボがもたらす64psの出力は上限一杯なので、パワー云々を言うつもりはないが、節度感のあるマニュアル操作が可能な出来の良いCVT搭載車でも、わずか870kgとボディは軽量。登りのワインディングでは辛い場面もあるが、下りでは(気分的に)無敵の速さを誇る。「気持ちいい」のひと言だ。ちなみに5段M/Tの車重は850kgと、より軽量である。
オープンにすると荷室から荷物が取り出せなくなるなど我慢ポイントはあるが、コペン用にチューニングしたエグゾーストノートを聞きながらのオープンエアドライブは実に爽快である。
事実、知人のスーパーカー乗りは、セカンドカーに初代コペンを所有しているが(自営業で仕事は別の実用的な国産コンパクトカーでこなしている)、その理由が分かるような気がする。軽自動車であっても運転する楽しみを伝えたいというダイハツのこだわりの強さは、どこかイタリアンスーパーカーにも通じるような気さえする。もちろんそこには、組織に属してはいるものの、強い意志を持ったカーガイの存在が不可欠だ。2代目は相当出来が良いと、早速、彼に伝えなくてはならない。
(文・櫻井健一 写真・花村英典)
ダイハツ・コペン・ローブ
価格 | 179.82(M/T181.98)万円 |
0-100km/h | na |
最高速度 | na |
燃費(JC08モード) | 25.2(M/T22.2)km/ℓ |
CO₂排出量 | 92(M/T105)g/km |
車両重量 | 870(M/T850)kg |
エンジン形式 | 直3DOHCターボ, 658cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 前輪駆動 |
最高出力 | 64ps/6400rpm |
最大最大トルク | 9.4kg-m/3200rpm |
馬力荷重比 | 73.6(M/T75.3)ps/t |
比出力 | 97.3ps/ℓ |
圧縮比 | 9.5:1 |
変速機 | CVT(5段M/T) |
全長 | 3395mm |
全幅 | 1475mm |
全高 | 1280mm |
ホイールベース | 2230mm |
燃料タンク容量 | 30ℓ |
荷室容量 | na |
サスペンション | (前)マクファーソン・ストラット |
(後)トーションビーム | |
ブレーキ | (前) Vディスク |
(後)ドラム | |
タイヤ | 165/50R16 |