VWのゴルフ GTEに相当 ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSeへ試乗 電動化時代の高性能
公開 : 2023.06.16 08:25
プジョー308の兄弟車となるアストラへ、PHEVのGSeが登場。電動化時代の高性能仕様を、英国編集部が評価しました。
もくじ
ー電動化時代の新しいサブブランド
ーフォルクスワーゲンのGTEに相当する
ー気持ちを誘うことはない単調なサウンド
ーモダンなホットハッチとして魅力的に映る
ーヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe(欧州仕様)のスペック
電動化時代の新しいサブブランド
英国オペル、ヴォグゾールの主力ハッチバックを務めてきたアストラにも、2023年後半にバッテリーEV(BEV)仕様が追加されるという。英国では人気を堅持しているが、さらに強力にバックアップすることになるだろう。
同社の最高経営責任者、ジェームス・テイラー氏は、「パズルの最後のピースを埋める」。と、電動アストラの仕上がりに自信を伺わせる。ちなみにヴォグゾールは、2028年までにBEVのみのラインナップを完成させる予定にある。
その一方で、オペルといえばツーリングカー選手権で活躍し、スポーティさを求めるドライバーも少なくない。高性能なGSiグレードやVRXグレードが姿を消し、近未来のブランド像を不安視しているのは、筆者だけではないと思う。
アストラ GSeは、そんな気持ちをなだめてくれる存在といえる。このGSeとは、グランスポーツ・エレクトリックの略。ひと回り大きいSUV、グランドランドにも設定された電動化時代の新しいサブブランドだと、ヴォグゾールは主張する。
ホットなモデルへ与えられる3文字として、これからのイメージを牽引することになる。ただし、アストラ GSeを本物のホットハッチとまでは呼べないようではあるけれど。
フォルクスワーゲンのGTEに相当する
パワートレインは、180psを発揮するアストラ・ハイブリッと基本的に同じ。1.6L 4気筒ガソリンターボに駆動用モーターが組み合わされ、システム総合で225psへ増強されている。
トランスミッションは、マニュアル・モードでもギアが長時間保持されないことが惜しい、8速オートマティック。実容量で9.9kWhの駆動用バッテリーを搭載する。
10mm車高が落ちるサスペンションを獲得し、ダンパーは負荷に応じて減衰力が変化するコニ社製。スタビリティ・コントロールの制御も調整されたという。
装備でも差別化されている。ヘッドアップ・ディスプレイにマトリックスLEDヘッドライト、スマホのワイヤレス充電パッド、運転支援システムなどが標準。見た目では専用の18インチ・アルミホイールとバンパー、ブラック・ルーフなどで違いを表現する。
動力性能は、0-100km/h加速が7.5秒、最高速度は234km/hと充分。ヴォグゾールは、フォルクスワーゲンのGTEに相当するとしている。驚くほどパワフルとはいえないものの、環境に配慮した次世代のVRXとして、納得できる水準にはある。
トラクションは素晴らしい。足まわりが引き締められ、ステアリングがタイトになり、英国郊外の道を爽快に飛ばせる。スポーツ・モードを選択すると、ステアリングホイールの重みが増し、エンジンの高回転域を活用するよう、8速ATも制御される。
高められたコーナリングスピードで、確かな充足感を得られる。乗り心地は硬めだが、不快なほどではない。