実用的で「いざ」というとき頼りになるコンパクトSUV 10選 選択肢多すぎて羨ましい欧州市場

公開 : 2023.06.17 18:05

2. ボルボXC40

スウェーデンのボルボは、XC60XC90という定評あるSUVのコンパクトな兄弟車としてXC40をデビューさせて大成功を収めた。最近になっても変わらないクラストップの完成度を誇る、魅力的なモデルである。

XC40のデザインは、若いユーザーをボルボのショールームに呼び込むのに十分なカリスマ性を備えたもので、その素朴なエクステリアを、上質感、快適性、使い勝手の良さを備えたインテリアで支えている。コンパクトSUVクラスで最も実用的なクルマ、というわけではないが、期待される車載技術はもちろんのこと、ラグジュアリーカーとしての雰囲気も十分に備えており、あらゆる面で充実している。

2. ボルボXC40
2. ボルボXC40

少し前にエンジンラインナップが見直され、ディーゼルエンジンはすべて廃止となった。PHEVモデル2種、マイルドハイブリッド車2種、エントリーモデルのT2とT3、そして完全EVの「リチャージ」がある。EVでは最高出力231psのシングルモーターと407psのデュアルモーターが用意されている。

XC40の乗り心地とハンドリングはボルボの最高傑作であり、小型のファミリーカーとしては実にリラックスして運転できる。ドライバーにアピールするために他のプレミアムブランドを追いかけるのではなく、快適かつ洗練された、便利で使い勝手の良いモデルを喜んで演じている。それが効果的に実を結んでいる形だ。SUVの使命が、ドライバーを喧騒から救い出し、日々の疲れを癒すことであるならば、これほど優れた車はないだろう。

3. マツダCX-5

マツダCX-5は、欧州市場で最も見栄えの良いSUVの1つであり、客観的に見て、このクラスとしては異例のレベルのハンドリング性能と燃費を備え、先代モデルよりもはるかに洗練されている。

CX-5のインテリアは堅実で静かなスタイリッシュさがあり、乗員とトランクのスペースも十分に確保されている。2021年のマイナーチェンジでは、マツダの最新インフォテインメント・システムと、マツダ6に搭載されていた2.5Lガソリンエンジンが導入された。本稿で紹介している他のモデルより少し古くなっているが、編集部のお気に入りの理由となったハンドリングを失ってはいない。

3. マツダCX-5
3. マツダCX-5

英国では、流行に流されない2.2Lディーゼルが選ばれている。中速域での力強さと適度な効率性が融合したこのエンジンは、CX-5のSUVとしての性格によく合っている。ガソリンエンジンも比較的スムーズだが、過給器がないため車重の重さを感じ、軽快に走るにはそれなりの回転数を必要とする。

CX-5は、楽しさ、経済性、広さが健全にミックスされているため、多才なクルマを求める人なら真面目に検討する価値がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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