新型ボルボEX30 若いユーザー向け小型EV、初公開 「最小にして最速」 クロスカントリーも

公開 : 2023.06.07 22:25  更新 : 2023.06.14 19:15

ボルボの次世代コンパクトSUV「EX30」が公開されました。街中で扱いやすい小柄なボディにモーターとバッテリーを搭載したEVで、1回の充電での航続距離は480km。環境負荷に配慮し、生産工程も工夫されています。

0-100km/h加速3.6秒 ボルボ最速のEVに

ボルボは6月7日、新型のコンパクトSUV「EX30」を発表した。若い顧客層の獲得を目指し、ブランドの電動化の「礎」となる新世代のEVである。

欧州価格は約3万6000ユーロ(約535万円)からとなり、月額599ユーロ(約9万円)のサブスクリプション・プランも用意されている。

ボルボEX30
ボルボEX30    ボルボ

英国では現在受注が始まっており、価格は3万3795ポンド(約585万円)から、サブスクリプションは月額579ポンド(約10万円)からとなる。納車は来年初頭に開始される予定だ。

日本にも導入予定で、仕様や発売時期、価格などの詳細は後日明らかにされる。

ボルボによると、EX30は総所有コストを下げ、若い都市部の顧客層を取り込むことに重点を置いて開発されたという。同社のジム・ローワンCEOは、「プレミアムな完全電動モビリティを、より多くの人々に提供する」ことを目指したと述べている。

ボルボは、EX30購入者の約4分の3がボルボを初めて購入する人であり、また大多数はセカンドカーとして購入すると予想している。

EX30の特徴として、これまでのボルボの市販車の中で生涯CO2排出量が最も少ないクルマを目指し、また安全性への取り組みに妥協はないとされている。同時に走行パフォーマンスも兼ね備えており、最上位のツインモーター・パフォーマンス仕様では0-100km/h加速3.6秒と、ボルボ史上最速のタイムを実現している。

兄弟ブランドのポールスター4やスマート#1にも採用されている最新のSEAプラットフォームをベースにしており、全長は4233mmとなる。

最もサスティナブルなクルマを目指して

スタイリングとしては、昨年公開されたフラッグシップの大型SUV、EX90と歩調を合わせたもので、クローズドグリルとボルボの特徴である「トールハンマー」型のヘッドライトを備えている。ホイールサイズは18インチから20インチまで選択可能。

ボディカラーは、スウェーデン西海岸の岩に生える地衣類に着想を得た新色モスイエローを含む5色が用意されている。

ボルボEX30
ボルボEX30    ボルボ

インテリアもボルボの伝統的なデザインを踏襲し、ダッシュボードには12.3インチの縦型タッチスクリーンが配置される。インフォテインメントには、グーグルベースのシステムが搭載され、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応している。

また、従来のドア内蔵型スピーカーに代わり、ホームオーディオ風のサウンドバーがダッシュボードに配置される。

収納にも力を入れており、フロントにはダッシュボード中央のマルチファンクション・センターコンソール、トンネルコンソールの後部には取り外し可能な収納ボックスが設置されている。

ダッシュボードにはリサイクルされたデニム繊維を使用するなど、再生可能素材を積極的に採り入れている点も特徴だ。

また、ボディにはリサイクル・アルミニウムを25%、リサイクル・スチールを17%、リサイクル・プラスチックを17%使用するなど、内外装の素材に配慮してライフサイクル全体でのCO2排出量(カーボンフットプリント)の削減を目指した。

その結果、20万km走行での総CO2排出量は30トン未満に抑えられるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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