ダイハツ・タントが虎視眈々、王者Nボックスを追う 2023年5月軽自動車の新車販売ランキング

公開 : 2023.06.07 12:17  更新 : 2023.11.08 01:10

5月の軽自動車の新車販売ランキングです。ホンダNボックスの背後に、ダイハツ・タントが迫ります。商用車の動向も確認しましょう。

ファンクロス効果も タントが165.5%増

2023年5月の軽自動車の車名別ランキングが発表された(全軽自協調べ)。

生産調整の期間を短縮したホンダNボックスが、前年同月比61.8%増(1万3967台)を成し遂げて12か月連続でのトップにつく。

マイナーチェンジ以降、Nボックスに強烈なプレッシャーを与えている「ダイハツ・タント」。写真は派生モデルのタント・ファンクロス。同じくダイハツの「ムーヴ」もキャンバスの好調で3位に入る。
マイナーチェンジ以降、Nボックスに強烈なプレッシャーを与えている「ダイハツタント」。写真は派生モデルのタント・ファンクロス。同じくダイハツの「ムーヴ」もキャンバスの好調で3位に入る。    AUTOCAR JAPAN

続く第2位には、昨年10月にマイナーチェンジしたダイハツ・タントが、同165.5%増(1万1208台)を達成して前月と同位に位置。

また第3位には、同35.0%増の8193台を売り上げて1ランクアップを果たしたダイハツ・ムーヴが入り、前月第3位のスズキスペーシアは同8.9%減(7901台)と苦戦して第4位に陥落した。

2023年5月 軽四輪車 通称名別 新車販売トップ10

1位 ホンダNボックス:1万3967台
2位 ダイハツ・タント:1万1208台
3位 ダイハツ・ムーヴ:8193台
4位 スズキ・スペーシア:7901台
5位 スズキ・ワゴンR:5448台
6位 スズキ・アルト:5397台
7位 スズキ・ハスラー:5145台
8位 ダイハツ・ミラ:4877台
9位 ダイハツ・タフト:3898台
10位 日産ルークス:3747台

注目モデルの動きを見ていこう。

ファッショナブル軽乗用車のラパンの販売が堅調なスズキ・アルトは同20.9%増(5397台)。昨年9月に一部改良を図ったダイハツ・タフトは、同39.1%増(3898台)を達成した。

また、軽EVの日産サクラは2773台、三菱eKクロスEVは463台の販売を成し遂げる。

さらに、5月25日より販売を開始した三菱デリカ・ミニは、基本コンポーネントを共用する既存のeKシリーズとの合算で2513台と公表した。

商用車は? 登録車・軽の合計は?

一方で商用車カテゴリーでは、昨年4月に仕様変更を図ったスズキ・エブリイが同20.6%増(4513台)と実績を伸ばす。

同じく昨年4月に仕様変更を行ったホンダNバンが同15.8%増(1909台)、昨年8月にデビューした新型軽バンのスズキ・スペーシア・ベースが869台の登録を達成。

2022年に一部仕様変更されたスズキの「エブリイ」バックアイカメラ付きディスプレイオーディオ装着車をメーカーOPで設定。4AT車に停車時アイドリングストップシステムを追加した。
2022年に一部仕様変更されたスズキの「エブリイ」バックアイカメラ付きディスプレイオーディオ装着車をメーカーOPで設定。4AT車に停車時アイドリングストップシステムを追加した。    スズキ

昨年12月に全面改良を実施したダイハツ・ハイゼットカーゴ/アトレーは、生産調整の影響で同6.4%減(5554台)にとどまった。

2023年5月 登録車・軽を合わせた車名別ランキング

1位 ホンダNボックス:1万3967台
2位 トヨタヤリス:1万2714台
3位 ダイハツ・タント:1万1208台
4位 トヨタ・プリウス:9233台
5位 トヨタ・シエンタ:9109台

登録車・軽自動車を合わせた5月の車名別ランキングのトップ5は、ホンダNボックスが9か月連続での首位。

第2位以降は、トヨタ・ヤリス、ダイハツ・タント、トヨタ・プリウス、トヨタ・シエンタが続いた。

また、月間販売台数1万台超えは3車種(Nボックス/ヤリス・シリーズ/タント)と、前年同月の1車種から3倍増。

ここからも、生産状況の回復ぶりが推測できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。

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