BYDアット3 詳細データテスト 英国でも快適な乗り心地 先進的なバッテリー 操作面は改善が必要
公開 : 2023.06.10 20:25 更新 : 2023.07.04 00:17
結論 ★★★★★★☆☆☆☆
BYDアット3の魅力は、完全にオリジナルとは言えないまでも風変わりなスタイルや、楽に乗れて当たり障りない走りのマナーだ。
とはいえ、長距離をやや飛ばし気味に走ると、シャシーは落ち着きをなくすことがある。また、インテリアの見誤ったところのあるデザインやソフトウェアの致命的な欠点には、イライラさせられることもある。また、室内のソフトなマテリアルは、このクラスに期待するレベルに達しているとは言えない。
もちろん、基本的な部分によさを見出せる点もないわけではない。室内の広さや実用性、そしてなにより重要な航続距離はなかなかのものだ。とはいえ、MG4EVやスマート#1もその点は同等で、クルマとしての完成度はずっと高い。
BYDは、じつに優れたバッテリー関連のテクノロジーを持っていて、アット3は10年前に欧州市場へ初投入したモデルから飛躍的な成長を遂げている。それでも、走りのファインチューニングが足りず、完成されたドライバビリティを手に入れるまでには至らなかった。
担当テスターのアドバイス
イリヤ・バプラート
エアコンやヒーターを消しても、換気ができるのはうれしい。残念なのは、その操作がメニューの階層の下のほうに隠れていることだ。また、オートモードでは風量が上がりすぎる傾向にある。また、思いがけないときに窓が曇るケースがときどき見られた。
マット・ソーンダース
パッケージングはおおむねよくできている荷室も後席レッグルームもまずまずいい。それだけに、ボンネットの下ががらんどうなのが悔やまれる。充電ケーブルを入れるくらいのスペースは十分にあるというのに、なぜプラスティックのトレイでも設置して積載スペースとして使わないのだろうか。
オプション追加のアドバイス
上位グレードは考えなくていい。せいぜい、大型ディスプレイと電動テールゲートが追加される程度の差だ。タイヤサイズとホイールの種類は全車共通で、5色のボディカラーはどれも無償で選択できる。インテリアは、ブルーとクリームの2トーンが唯一の選択肢だ。
改善してほしいポイント
・スマートフォンとの統合機能は要改善。
・エアコンのメニューを大きく見やすいグラフィックにして、画面上に常時表示してほしい。それができるくらい、ディスプレイは大きいのだから。
・チープなクルマっぽい車内のにおいを消してもらいたい。