どこまでも走り続けたい最高のスポーツカー 10選 「運転の楽しさ」を教えてくれる1台

公開 : 2023.06.25 18:05

6. モーガン・スーパー3

先代のモーガン3ホイーラー(1909年のオリジナルではなく、2012年のモデルチェンジ後)は、同社にとって意外なヒット作となった。10年間で約2500台が販売されたが、これはモーガンのような小規模メーカーにとっては、限りなくメガヒットに近い。

2022年に公開された新型車は、名称を「スーパー3」に改め、先代のスピリットと魅力を引き継ぎながら、より汎用性の高い現代的なパッケージングにまとめられている。モーガンのさらなる飛躍が期待される1台だ。

6. モーガン・スーパー3
6. モーガン・スーパー3

ユニークな三輪レイアウトや、ひっくり返ったバスタブのような外観はそのままに、より強固なモノコック構造、洗練されたサスペンション、従来のハーレーダビッドソン製Vツインエンジンに代わるフォード製直列3気筒ターボエンジン(フィエスタと同じ)が搭載されている。

重量はわずか635kg、最高出力120psのスーパー3は、マツダMX-5から拝借した軽快な5速MTを介して、その真価を発揮する。スキニーなタイヤでコーナリングに挑むとき、代えがたい喜びを与えてくれるのだ。適度なグリップとバランスのとれたハンドリングは、どんな速度域でも非常に楽しい。

ただし、屋根が無いということは、長時間の移動には覚悟が必要ということだ。4万ポンド(約700万円)という価格も「安い」とは言い難い。他のライトウェイトスポーツカーは、もっとサーキット走行に見合った性能を持っているし、以前の3ホイーラーにはもう少し個性があった。しかし、毎日利用するような街中の道路を走るだけでも、これほど心を高ぶらせるクルマはないだろう。

7. ケータハム・セブン

70年以上にわたって、あらゆる形態のセブン(ロータスとケータハム)は、ピュアなドライビング・スリルの基準を打ち立ててきた。NVH(騒音・振動・ハーシュネス)を無視し、ユーロNCAPも恐れず、走る楽しさだけに集中するなら、この小さな英国製スポーツカーを超えるものはない。

新型セブンを最も手頃な価格で購入できるのはケータハム・セブン170で、英国では自分で組み立てるキットで2万8990ポンド(約500万円)から。最高出力85psのスズキ製660ccターボエンジンは、書類上では少し貧弱に見えるかもしれないが、わずか440kgの重量で0-97km/h加速を7.0秒未満で走り抜け、3気筒エンジンがうなるようにドライバーを励ましてくれる。

7. ケータハム・セブン
7. ケータハム・セブン

セブン170の上に、ケータハムはレトロな雰囲気のスーパーセブン600とスーパーセブン2000を用意している。拡張されたフロントウィングとクロームトリムにより、クラシックなルックスとなっているが、後者は最高出力182psのフォード製デュラテック・エンジンを搭載している。

もっと上を見れば、最高出力314ps、シーケンシャル・トランスミッション、フル・ロールケージ、サーキット用スリックタイヤ、フルアジャスタブル・サスペンションなど、モータースポーツにふさわしいモデルもある。ポルシェ718ケイマンGT4よりもずっと安い値段で、完成品のセブン620Rを手に入れることができるのだ。

安価なモデルはライブリアアクスルを使用しており、高価なド・ディオン搭載車のような洗練された乗り心地はないが、細いタイヤとクイックなステアリングで、コーナーをあっちへこっちへ踊り、ライトウェイトスポーツカーならではの楽しさを味わえる。

四輪車の中で最も無邪気で爽快な楽しさかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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