CとEのクーペを融合 メルセデス・ベンツCLEクラス 試作車へ試乗 ラグジュアリー+スポーティ
公開 : 2023.06.20 08:25
後輪操舵システムも設定 低めの着座位置
駆動方式は、4気筒エンジン版では後輪駆動が標準で、プラグイン・ハイブリッド以外では四輪駆動も選択可能。6気筒では四輪駆動が標準になる。
高性能なCLE AMGも登場するはずだが、詳細は明らかになっていない。通常のCLEにも6気筒がラインナップされることから、53としてAMGにも載ることは間違いないだろう。Cクラスと同じく、4気筒プラグイン・ハイブリッドのCLE 63も想定できる。
サスペンションは、コイルスプリングが標準。追加費用でアダプティブダンパーも指定できる。
スポーティな身のこなしを実現するため、最大2.5度までリアタイヤが向きを変える、後輪操舵システムもオプションで用意される。フロントのステアリングラックは、通常は13.8:1というギア比を得るとのこと。
ドイツ・シュツットガルトの西、ジンデルフィンゲン周辺の滑らかな一般道で、今回はCLEのプロトタイプに同乗させていただいた。助手席の限りでは、新しいCクラスや従来のEクラスに乗った印象と、大きくは違わないように思えた。
それでも、フロントシートの着座位置が低くスポーティさがある。インフォテインメント・システムには最新バージョンが実装され、明らかに扱いやすくなった様子。操作に対する反応が素早く、グラフィックも高精細だった。
強敵を迎えるA5と4シリーズ
同乗したCLE クーペに載っていたエンジンは、3.0Lの直列6気筒。スムーズかつパワフルで、メカニズムとして洗練されている。
ドライブモードでスポーツを選択すると、人工の合成音が重なり、聴覚的な体験を高める。余計な演出なしで意欲的に走りたいドライバーのために、そのサウンドはオフにもできる。
高速道路の速度域では、殆ど風切り音は聞こえなかった。技術者のキューナーは、リラックスして長距離を運転できる落ち着いた特性をCLEへ与えるため、多くの努力が費やされたと主張する。
カーブが連続する区間では、鋭く回頭していく様子が印象的だった。後輪操舵システムが効果的に働いているのだろう。
乗り心地には、グランドツアラーと呼べるようなしなやかさがあった。基本的にはスプリングレートは高めで、姿勢制御は引き締まっている。しかしダンパーの減衰力特性に優れ、張りがありつつ落ち着いた質感を実現しているようだ。
2023年後半には、CLE クーペを実際に運転できる予定。その仕上がりに、高い期待を持たせるものとなった。CクラスとEクラスのクーペの長所を融合させ、訴求力あるまとまりを得ることは予想できる。